検索窓
今日:1 hit、昨日:59 hit、合計:110,158 hit

第166訓-■■■篇-十六 宿る光 ページ16

一方その頃Aは室内にある大量の本を眺めていた。特に理由もなく。




「(ここは、あの子の部屋?でもなんでウチは……?)」




頭のノイズ音が地味に消えてないままぼーっとしていた。すると、近くにあった襖がスーッと音を立てて開いた。

Aは振り向き、目の前の人物を見た。

黒髪で黒目。Aに向けているその笑顔は見覚えがあり、小さくその人物の名を呟いた。




「しず……き?」


「うん。おはよ、姉さん。」




まるで何もなかったかのように。しずきは姉に向けて、姉が好きだと言ってくれた笑顔で話しかけていった。

Aはさらに混乱した。だけど自分の弟を見ると頭に残っているノイズ音が徐々に消えていく。思い切って思ったことをつぶやく。





「しずき……なんかおっきくなった?」


「ふふ、嫌だなぁ姉さん。僕だって成長するよ?寝すぎて寝ぼけてるんじゃない?」


「そう……なんかな。てかなんでウチがしずきの部屋で寝とったん?そもそも、寝る前の記憶が曖昧なんやけど……。」


「姉さん、僕の部屋に来て疲れて寝ちゃったんだよ。覚えてないの?」


「うーん………?」




正直に言うとまっっったく覚えてないA。

そんなAの様子にも愛しげな瞳を向けるしずきは彼女に近づき、両手で頬を包んだ。




「ほら、姉さん。ちゃんと目を覚まして。」


「……この、匂い……。」


「姉さんの好きな匂いでしょう?」









ザザ……ザザ……









ほら、思い出して。姉さん。









ザザ─────…………









あの頃の姉さんはすごく明るくて、









ザザ…ザ…









僕に向けた笑顔は温かくて。


そんな姉さんは─────









「“僕の姉さん”でしょう?」


「……………………。」









ザ…────プツ





その時、Aの目には“光”が宿っていた。

第167訓-■■■篇-十七 設定→←第165訓-■■■篇-十五 今度こそ、



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (135 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
512人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 坂田銀時
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

運動系引きこもり(プロフ) - 七瀬未来さん» 七さんへ。字数制限での縮め方は目を瞑りましょう。たくさんの感想を聞けて嬉しかったです。挿絵は頑張りました。もっと褒めて欲しいです。P.S七さんも5巻出せるよう頑張ってください。コメント書きに行きます、 (2021年2月8日 11時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
七瀬未来(プロフ) - 運こへ。東雲さん沖田くんと仲直り出来て良かったです……。あと東雲さんの表情筋が段々と緩んできてるのに読んでる私も頬も緩みました。人形マダオとギャル男とのお話も頑張って下さい!PS.挿絵素晴らしかったです。銀しの推しだったけど沖しのにもグッと来ちゃったよ (2021年2月7日 13時) (レス) id: e97d6b826d (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - 睡眠足りない布団好き女子さん» ようやくこの画像出せたよ……!うん、恋愛って難しいからね(なんで逆ハー書いてる?) (2021年1月21日 23時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
睡眠足りない布団好き女子(プロフ) - あの画像がまさかここで使われるとは.........!! 次が超絶気になる〜!!!! 楽しみにしてマース!! てか、これ逆ハーやったって今思い出した笑 (2021年1月21日 23時) (レス) id: 9e26011d22 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - ポケットの案内人さん» そうですそうです! (2020年9月19日 12時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2020年4月14日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。