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第145訓-ミツバ篇-十五 友の傍らに寄り添う ページ45

【Aside】




二人の背中を見送る。見えなくなるとタイミングよく集中治療室から医者が出てきた。



「御家族……ですか?ミツバさんは出来る限り全力でやりましたが、もう……。」

「……そうですか。あの、中に入っても大丈夫ですか?」

「え、えぇ。もちろん。」



医者は私しかいない事に驚き、戸惑っていたが私の入室の許可を出してくれた。



「……ミツバさん。」

「…………A、さん…。」


彼女は笑っているが苦しそうだった。近くの椅子を引っ張りベッドの近くに座った。


「たった数時間しか過ごさんかった奴が残ってすまんのぉ。でもどーしても私、ミツバさんの側にいたかった。」

「ふふ……嬉しいわね……。
ねぇ、A…さん。あの人達は?」

「行ったで。」

「そう…… 変わらないわね。」



確か、ミツバさんを置いていって真選組のみんなは武士の道を進んでいったんやったな。

ミツバさんは私を見ると、「ありがとう」と少し掠れた声で言った。意味が分かった私は首を横に振る。



「私……嬉しかった。ここであの人達(真選組)が元気にやってるところを見れて。」

「うん。」

「そーちゃんの楽しそうな姿を見れて良かった。」

「うん。」

「…………………………出来れば、あの人に……、会いたかった…。」

「…うん。」

「………………………………出来れば、もっともっと、貴方と話したりっして、あの人達(真選組)を見ていたかった……っ。」

「…っうん。」

「……………………………………出来れ、ば……もっと、生きたかった、なぁ…っ。」

「……大丈夫や。また会える。だから、泣かんといて。」



ミツバさんは「Aさんも泣いてるわよ?」とか言う。そんなもん、泣いとる事くらい自分で分かっとる。不思議と、涙を流す感情がわかったのだ。

私はミツバさんの手を持ち握った。









「……Aさん。」



人の死が近づいてきてる。心臓の音がどんどん弱くなっていってる。ミツバさんは私の手を弱々しく握り返すと、



「頼まれてくれる?」


と言った。



「……私で大丈夫なんやろか。」



自分を卑下するとミツバさんは笑顔になり、「大丈夫」だと言った。




「だってAさんは強い方だもの。」

「………。」


「………頼まれてくれる?」

「っもちろん、任しとき。」

「…ありがとう。」




そして私達は手を離した。後ろでドアが開く音が聞こえたから、私は微笑んで部屋を後にした。

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運動系引きこもり(プロフ) - 無影灯さん» はじめまして!コメントありがとうございます!面白いと言うコメントを頂くとやっぱり嬉しいものです…。はいっこれからも頑張りますね!! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - はじめまして、お疲れ様です!見やすくて、とても面白いです!これからも応援してます! (2020年3月12日 15時) (レス) id: 7a1223e495 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - 糸針シナさん» シナさんいつもありがとうございます引き継ぎが出来ました。ほんと、お礼したいですいつか。評価の方はこちらで頑張ってみます!ありがとうございました…!!シナさんも更新頑張ってください応援してます…! (2019年11月30日 16時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 評価ボタン押せるには押せますが見えませんね…、引き継ぎですが、こちらでできますよ〜!→ https://uranai.nosv.org/favcnt.php (2019年11月30日 16時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年11月30日 15時

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