第137訓-ミツバ篇-七 誰もが皆、持っている夢を叶えたがるものだ ページ37
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────皆が屋敷から帰った後。ミツバは病院に運ばれ、蔵場一人となった。彼はどこかに連絡した。
「ええ、ええはい。大丈夫ですよ。問題なく進んでいます。……しかし真選組が嗅ぎつけているようで……。」
『構わんで。いざという時は逃げればええ話や。』
「まぁ……そうですが……。念には念を入れてですね…、」
『転海屋さんはホンマに心配性やな〜。まぁしょーがないか。逃走ルートも一応確保しとくわ。』
「本当にありがとうございます。
───────あぁ、そういえば。あなたが前に見せてくれた女性の写真、あれと全く同じ容姿の方が私の屋敷に来ましたよ。」
『!……そーか。なら多分、アイツは名前に気づいたんやろな。この名前にして正解やったわ。』
「?どうされたんです?」
『なんでもないで。ありがとさん。そんじゃ、計画は予定通りによろしゅう。』
「はい。」
ピッ、とボタンを押して連絡を切る。蔵場はふぅ、と一息ついた。
今回転海屋と手を組んでいる飛燕海屋。
飛燕海屋は大きな貿易商だ。
様々な所から原料を手に入れ、物資生産から売る作業まで一通りやる少し変わった貿易商だ。
まるで小さな日本のよう。
しかしそこから作られる武器がこれはまた便利だった。
飛燕海屋から生産される武器を攘夷浪士共に売って儲ける。
だからこそ、手を組んだのだ。
△△△
転海屋からの電話が終わり、ボタンを押すと無機質な音が部屋に響いた。
パタン、と携帯を閉じると『飛燕海屋』はニヤリと嘲笑う。
「フフフ……バカやなぁ。ホンマにバカや。」
その言葉は転海屋にも写真の女性にもどちらにも言っていた。
『飛燕海屋』の周りには物騒な武器がたくさん置いてある。普通の人間が持てるとは思えないほど大きなハンマーや、先がナイフのように尖っているマフラーという不気味な武器まで。
『飛燕海屋』は棚からビー玉よりひと回り大きなサイズの赤い玉を取り出した。それをじっと見つめながら『飛燕海屋』は口を開く。
「……これぞ“予定通り”っちゅーわけやな。ホンマ、事が上手く行き過ぎとって逆に恐ろしいわ。」
飛燕海屋が転海屋と手を組んだのは自分達の名を、広めるためだった。自分達の武器を作ったは良いが、無名なため、信用がない。
そこで、評価の高い『転海屋』に交渉を申し込み、成立した。
「(飛燕海屋の名が、あの女の耳に入ったんならこっちの目標は達成や。ならもう、転海屋は用済み、か。)」
『飛燕海屋』は赤い玉を口に含み、ゴリっと音を立てて噛み砕いた。
第138訓-ミツバ篇-八 好きな物にはとことん好きになればいいし、我慢なんてしなくていいと思う→←第136訓-ミツバ篇-六 結局は素の自分でいられる関係であることが一番だ
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運動系引きこもり(プロフ) - 無影灯さん» はじめまして!コメントありがとうございます!面白いと言うコメントを頂くとやっぱり嬉しいものです…。はいっこれからも頑張りますね!! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - はじめまして、お疲れ様です!見やすくて、とても面白いです!これからも応援してます! (2020年3月12日 15時) (レス) id: 7a1223e495 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - 糸針シナさん» シナさんいつもありがとうございます引き継ぎが出来ました。ほんと、お礼したいですいつか。評価の方はこちらで頑張ってみます!ありがとうございました…!!シナさんも更新頑張ってください応援してます…! (2019年11月30日 16時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 評価ボタン押せるには押せますが見えませんね…、引き継ぎですが、こちらでできますよ〜!→ https://uranai.nosv.org/favcnt.php (2019年11月30日 16時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年11月30日 15時