第135訓-ミツバ篇-五 心配のしすぎは相手を信用していないことと同じである ページ35
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倒れた女性がミツバであると知った。
銀時はミツバに対して呼びかけ、騒ぎを聞きつけた屋敷の者であろう人達が出てきてミツバを運んで行った。
銀時と山崎は焦った様子で中まで着いて行った。当然Aも着いて行こうとするが、未だに動こうとしない土方に疑問を持った。
「……土方さん、どうしたんですか?私達も中に行きましょう?」
「あ?あ、あぁ……。」
返事はしてくれたものの歯切れの悪いその返事にAは戸惑う。瞳が小刻みに動き、動揺している。
土方は気にすることなく歩き出す。二人は無言のままだった。
△△△
後から屋敷に入った二人はミツバの状態を山崎から聞かされた。そこで初めてミツバが病気を患っていることを知った。
「倒れたのが屋敷前じゃなかったらどうなっていたことか。」
容態は落ち着いたようだったがそう長くないらしい。別室で寝ているミツバはどんな思いを抱えているのだろうか。知る由もなかった。
「それで銀時はなんで沖田さんのお姉さんと?」
「……成り行きだ成り行き。」
「どんな成り行きなん?」
「どんなだっていいだろーが。」
「でも前も大怪我しとったし……。」
「俺が行動を起こすと怪我するトラブルメーカーだとでも言いたいの?」
「まぁ、巻き込まれ体質なんやろうなって思っとる。だから心配する。」
銀時はAに向かって息子でも弟でもないと叫ぶ。Aの心配は銀時を一人の男としてしているのではなく、昔から一緒にいる家族に向けるよな心配だった。
銀時は、それが分かっているのだ。昔から変わらずにずっと。だからもどかしかった。
そんな事に気づく様子すらないAを見て心の中で盛大にため息をつく。
「…………?」
「んな事よりなんでお前らはここにいんの?そっちはなんでアフロ?」
「仕事。」「成り行きです。」
「Aはいいとしてどんな成り行きだよ。
……そちらさんは成り行きってカンジじゃなさそーだな。」
銀時はせんべいをバリボリ食べ、背を向け立っており煙草を吸っている土方を見た。
ふぅー……と煙を吐き出した。
「てめーにゃ関係ねェ。」
「すみませーん。男と女の関係に首突っ込むなんざ野暮ですた〜。」
「ダメですよ旦那〜。副長ああ見えて
「ほぉ、土方さんは“ぎゃっぷ”を持っとるんやな。」
からかうように目で笑い、口を手で隠す。
すると土方は怒りだし山崎がなだめる。隣に病人がおるんやけどな……。
第136訓-ミツバ篇-六 結局は素の自分でいられる関係であることが一番だ→←第134訓-ミツバ篇-四 想えば想うほど胸が痛くなる
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運動系引きこもり(プロフ) - 無影灯さん» はじめまして!コメントありがとうございます!面白いと言うコメントを頂くとやっぱり嬉しいものです…。はいっこれからも頑張りますね!! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - はじめまして、お疲れ様です!見やすくて、とても面白いです!これからも応援してます! (2020年3月12日 15時) (レス) id: 7a1223e495 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - 糸針シナさん» シナさんいつもありがとうございます引き継ぎが出来ました。ほんと、お礼したいですいつか。評価の方はこちらで頑張ってみます!ありがとうございました…!!シナさんも更新頑張ってください応援してます…! (2019年11月30日 16時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 評価ボタン押せるには押せますが見えませんね…、引き継ぎですが、こちらでできますよ〜!→ https://uranai.nosv.org/favcnt.php (2019年11月30日 16時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年11月30日 15時