第123訓-柳生篇-二三 対等に ページ23
【Noside】
「土方さん、なんなんその怪我。」
「うるせぇ 大江戸スーパーの自動ドアに挟まっただけだ。」
「ドジっ子なんやな。」
「………。」
新八は動けなかった。Aを庇うように柳生の前に立ち塞がった土方を見て昔の
新八は数分前にAに言われた。弟にとって姉とはなんなのだと。自分にとって姉は……、と俯き考える。
「(きっとAさんには……“弟”が……。)」
バンッ!
何か硬いものが壊れるような大きな音がして顔を上げるといつの間にか戦いを始めていた。Aが土方をジャンプ台にし、木刀で柳生に一発入れていた。
恐らく一発入れられていた所は骨が粉砕しているか、折れているだろう。柳生が苦しそうに少し顔を歪めたのがその証拠だ。
土方はもちろんAの頭をしばいた。
「おい、早くいけ。」
「土方さん…。」
「心配すんな テメーのためじゃねーよ。言ったろ、俺ァ喧嘩しに来ただけだ。
オメーがやられたらこの喧嘩負けなんだよ。
………姉貴に会え。たとえこの勝負勝とうがてめーの姉貴の気持ちが動かなきゃ連れ戻せねーよ。」
土方の言葉にハッとされた。新八はAの方を向いた。いてて……としばかれた部分の頭を撫でるAに新八は話しかける。
「…Aさん 弟だって成長するんですよ。男だから、いつか背だって抜かします。いつまでも守られるのは嫌なんです。キョーダイですから、家族なんですから。」
「……つまり?」
「僕からしたら姉は“なんで頼ってくれねーんだよコノヤロー!”って感じですよ!」
「………、…………そうか。」
Aは酷く落ち着いた声で下を向いた。整えられてる前髪がAの顔を隠す。見えないように。
Aは新八が妙の弟であることを知ってから、どこか“あの子”と重ねていた。だからそんな思考を避けるために新八に「さん」を付けていた。
「(“あの子”も頼ってほしかったんやろうか。
でも──まぁ、今はええか。)」
Aはゆっくり顔を上げた。そこには困った形をした眉で目を細め、少し頬を緩ませていた。新八は目を見開いた。見たことなかった。非道く優しい目をするAに。
「ありがとう、
ほら、はよ行き。その短刀は使ってもええけど破損させたり折ったりしたら、その分アンタの肋も折るからな。」
「…!はい!………土方さんもマヨネーズ、奢ります。」
新八はA達に背を向け走っていった。
Aにはその姿に何を思ったのか───。
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運動系引きこもり(プロフ) - 無影灯さん» はじめまして!コメントありがとうございます!面白いと言うコメントを頂くとやっぱり嬉しいものです…。はいっこれからも頑張りますね!! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - はじめまして、お疲れ様です!見やすくて、とても面白いです!これからも応援してます! (2020年3月12日 15時) (レス) id: 7a1223e495 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - 糸針シナさん» シナさんいつもありがとうございます引き継ぎが出来ました。ほんと、お礼したいですいつか。評価の方はこちらで頑張ってみます!ありがとうございました…!!シナさんも更新頑張ってください応援してます…! (2019年11月30日 16時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 評価ボタン押せるには押せますが見えませんね…、引き継ぎですが、こちらでできますよ〜!→ https://uranai.nosv.org/favcnt.php (2019年11月30日 16時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年11月30日 15時