第69訓-紅桜篇-十 旧友と勧誘 ページ19
【Aside】
ヅラが天人を一掃すると、また爆発音が聞こえた。いくら横槍を嫌うと言っても流石に心配だ。
「ヅラ、私はいいから銀時の所に行ってあげて。本当は私が行きたい所やけど…。大丈夫、元々ここにいるのだって晋助と話をする為やから。」
「しかし…」
「大丈夫やから。」
ヅラは申し訳なさそうな顔をするが、「後に合流しよう」と言い、背を向け走っていった。
すると晋助は私の首から短刀を離し、どこにあったのか、私の大剣を渡してきた。
どこにあったのか聞くと武市さんから渡されたと言われた。
「相変わらず重てェな、それ。まだ持ってたのか。」
「まァ、先生からの貰い
一時期カラクリにハマっとったから。本当に一時期やけど。
「そんなことより、晋助。私は貴方に言いたい事があって来た。それは牢屋に入れられる前にも言った筈。」
「牢屋に入れられてたのか?」
「え?晋助が命じたんやないの?」
「俺は知らねェ アイツらの独断だろう。」
「な、なんやて!?ま、まァ敵やし、そうするかもしれんけど…」
「……」
「あー!笑っとるやん 晋助!笑うな!!昨日からなんも食べとらんのやからな!手鎖もかけられて、処刑させられるんかと思ったわ!」
口を尖らせ怒る私と愉しそうに笑う晋助。ヅラがいた時とは違う笑み。そういえばあの夜の時も来島さんが来るまでは晋助はこういう顔やったな。
地面には天人が転がっている異様な空間だが、二人が纏ってる雰囲気は友人そのものかもしれない。
随分と話がズレたが雰囲気を切り替え改めて向き合った。
「晋助、私は五年前貴方を拒絶した。貴方はずっと私を色々と助けてくれたのに。だから謝りたかっ」
「俺は謝罪なんか求めちゃいねェ」
言おうとすると晋助が被せてきた。
「そうか…。」
「……A。俺と来る気はねェか?」
「……………………………え?」
かける言葉を失うと晋助に言われた。あまりにもサラッと言われたので理解に少し遅れてしまった。
すると晋助は「そろそろ頃合か。」と呟くと、放心している私を放ってヅラが走っていった方向に歩いて行った。
我に返り、私は晋助に待ってと言うが伝わらずそのまま行ってしまった。
「(来る気はないか?……なんでそんなこと。)」
私は一度貴方の手を払ったのに、私にはその手を掴む資格なんてあるのか?
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miraiwalk8(プロフ) - ありがとうございます!夜はぐっすり寝てくださいwこの紅桜篇でも楽しんでくれると幸いです! (2019年8月5日 2時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - 遅くなりましたが続編おめでとうございます ! 2 作品目は紅桜篇ですか ! しかも高杉氏の「俺と来い」発言 ? ! 興奮して夜しか眠れません…… ! 次の更新も楽しみに待っております ! (2019年8月5日 0時) (レス) id: d2be23fc95 (このIDを非表示/違反報告)
miraiwalk8(プロフ) - 桜匁さん» ありがとうございます!!ほんと、コメントが嬉しすぎます…!ノロノロな更新速度ですが、今後ともご贔屓に宜しくお願い致します!!! (2019年8月4日 11時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
桜匁(プロフ) - 続編おめでとうございます! 今回は紅桜篇なのですね! また東雲さんのカッコいい姿が見られるかなーと今からでもワクワクしております! カブト狩りの回のお話も面白くて続きが今からでも楽しみです。 作者様のペースで頑張ってください。陰ながら応援しております。 (2019年8月4日 8時) (レス) id: 58c26fa576 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年8月3日 16時