第46訓 爆弾、抱え持つくらいならその辺にポンポン無駄打ちしとけ ページ46
【Aside】
「Aさん。」
桂逃亡に巻き込まれてからから数日。将軍様は何処かへ出かける用事もないし、姫様だって外へは出してもらえない。
…ので、私もやることがない。いや、書類ならある。松平の分もある。…………、松平でも殺ってこようか。
「Aさん!」
そもそも何回も言うけど上司が仕事しないってどうよ。土方さんは部下が仕事してくれない、と言っとったな。そこら辺では私達は似ていると思うわ。
今度お茶誘お。
「Aさん!!」
「うわっ!……姫様?」
いきなりとっしんのような衝撃で、走らせていた筆と愚痴と思考が強制的にストップされた。
腰の方に抱きつかれた感覚があり、見てみるとそこには姫様が。
「もう!Aさんったら何度も呼んでも気づいてくれないもの…。」
「それは気づかずすみません。えっと…なんのご用でしたか?」
姫様は唇をきゅ、と結んだ後、私を見上げて話し始めた。
「実は先日兄上様にお茶を出したのですが、兄上様に『ぬるい』と言われまして…。ですから、Aさんにお茶の淹れ方を教わろうと思って!」
ほら、Aさん、時々兄上様にお茶を出していたでしょ?あの時の兄上様のお顔、スッゴク嬉しそうだったので。
姫様に言われ戸惑った。
「…………そこまで大層なものではないですよ。将軍様はお優しいですからきっと気遣ってくれただけですよ。」
「兄上様がお優しいなら私の淹れたお茶も『おいしい』と言ってくれる筈です!」
「それは城の外ばかり行ってないでお茶の淹れ方も少しは勉強したらどうだ、みたいな感じの事を言ってるんですよ、将軍様は。」
「ならば余計に教えてもらわないと!」
「…私なんかより、女中さんとかに…。」
そこでスパーンッ!と
「A!姫様の頼みを聞けぬのか!姫様、そのようにとやかく人に抱きつくでないぞ!Aじゃ!姫様から離れんか!抱きつくならこのじいやに!」
いきなり現れポンポン話を進めていく。そして途中のお小言をもらった。
本当に突然の事で頭がいっぱいになった私と姫様は互いに何かから守るようにぎゅっ、と力を入れて抱きしめあった。
「……舞蔵さんに」
「抱きつくのは出来ません!」
「だって姫様が」
「だってAさんが」
「「離してくれないんだもん。」」
「『もん。』だけ可愛く言うでない!!」
打ち合わせでもしたのか、って?そんなもん、私と姫様には不要や。←
第47訓 ダイエットやら勉強やらを宣言する奴はだいたい三日坊主→←第45訓 女のナイフは時には鋭く、時には………………折る?
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迷い猫 - 絵うま!!絵うま!!絵うま!!絵うま!!絵う((( 殴面白いです‼頑張ってください! (2021年10月11日 7時) (レス) @page1 id: 0f483562a2 (このIDを非表示/違反報告)
miraiwalk8(プロフ) - ライさん» お褒めに預かり光栄でございますっ!!これからもよろしくお願いしますね!! (2019年6月22日 23時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 面白いっ!素敵な作品をありがとうございます。これからも更新頑張って下さい!応援しています。 (2019年6月21日 20時) (レス) id: 2ac506ad59 (このIDを非表示/違反報告)
miraiwalk8(プロフ) - ぽんさん» ありがとうございます!!そのような誉め言葉嬉しい限りです。これからも応援よろしくお願いしますね!(^-^) (2019年6月9日 5時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん - 初めて拝見させて頂きました ! 文章もわかりやすく、とても読みやすいです。これから物語がどう展開していくか楽しみです ! 応援してます ! (2019年6月9日 0時) (レス) id: d2be23fc95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年5月19日 22時