第1の怪 邪教の集団 弐 ページ3
「オカルト部?」
「ああ、お前オカルト好きだろ。」
「いや、それとこれとじゃあ、一体何の関係が?」
「お前にしかできない。お前、俺と同じく霊感あるだろ。」
「……ッ。」
「霊感がある奴は、そうはいない。俺も最初はみんな持っているかと思ったんだが、持っていなか
った。この第六感は、生まれつきなのだと知ったんだ。」
「だから俺と何の関係が…。」
「誰にもできることじゃない。こういう霊関係は、やろうと思っていても無理だが、霊感がある奴は、それが出来る。お前が持つ第六感で救える奴を救う。そんな目的でこの部を設立した。」
俺の運命の歯車が大きな音をたてて、動き始めた瞬間だった。俺は考えた。俺の力で救える人たちを救う。俺以外にも隆さんも出来ること。他の人には出来ないこと。俺達にしか…。
「どうする?」
「…入るよ。俺、入る。」
「そうか、ならばようこそ。オカルトの世界へ。」
隆さんはニッと笑った。俺は、今日から非日常の世界を覗くことになる。ただ覗くだけじゃない。そこに苦しんでいる人たちを助けるために入るんだ。俺はそう固く誓い拳を握った。
夕方、部活開始時間、俺は部室に行くと隆さんがパソコンをいじっていた。
「隆さん、何見てんの?」
「掲示板だ。」
「掲示板?」
「あぁ、この町って何かと危険な感じに包まれているからな。何か怪事件があるかもしれないだろ。だから、ネットを通じてだな…。」
「上手くかかるとは、思えないけどなぁ。」
後で聞いた話なんだけど、1か月に1回ぐらいの割合で来るらしい。怪事件と言っても、かくれんぼの途中で友達の一人が行方不明だとか、狐狗狸さんをやめさせてくれだとか、旧校舎に何かが出るから何とかしてくれだとか、そんなものだった。無論、隆さんが解決した。かくれんぼ事件は、隠れている途中に足をとられて、坂道を滑り落ちたその人が、古井戸跡地に落ちて出られなくなったらしく、隆さんの霊能力でその場所を探知したらしい。狐狗狸さん事件は、1回だけ本格的にやってビビらせて終幕。旧校舎の件は、猪が入り込んだだけというシンプルなものだったらしいが、学校側がなぜか喜び、怪事件が起こるたびに授業を抜けてもよいという謎の決まりが出来たらしい。つまり、オカルト部はひいきされているということだ。とここで、部室の戸が開いた。
「あの〜。」
「ん?あぁ、幸、どうだった。」
「あっ。」
「あっ、恭介くん。」
「知り合いか。」「クラスメイトです。」
「運命だな。」
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夜行 - 大好きですよ。この作品。更新待ってます。応援しております。 (2016年8月19日 22時) (レス) id: cd7a83a97a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カニ x他1人 | 作成日時:2016年3月1日 22時