異界奇譚怪奇心霊オカルト部 (ページ14)

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第３の怪踏み切り壱ページ14

クラスメートの友人達数人と放課後の帰り道に駄弁っていたとき、目の前の踏み切りの遮断機が降りて立ち止まった。夕方の踏み切りを見ていると何だが映画の中に迷い混んだ何とも言えない感情が湧いてくる。友達も何となくだがそれを感じたようで、「何かありそうだな。」と笑いながら言っていたのを覚えている。そろそろ電車が来るという時に向こうから遮断機を無視して中に入った女性を目撃。慌てて、「もう電車来てます、危ないですよ!!」と言ったがすぐに電車が通過した。俺も友人達も言葉が出ずにただただ電車が通っていくのを眺めているしかなかったのだが、１人の友人の言葉で我に帰る。

C「あれ？跳ねられたのに血出てないな。というか、血が飛び散ってないぞ。」

B「え？そんな馬鹿な………。だって、さっき、女の人が………。」

俺「確かに跳ねられたよな。だとしても、電車が停まらないのもおかしいぞ。」

A「もしかして、幽霊か？ってことは、恭介の出番って事だな。」

俺「いや、何でそうな………。」

A「頑張れ!オカルト部!!」

と言われて肩を叩かれまくった。次の日に隆さんに事の顛末を話すと、「へぇー、面白そうな物を見たね。」とニヤニヤされた。俺はというとちょっと怖かったのだが、馬鹿にされそうなのでそこだけは黙ってた。

「踏み切りの遮断機が降りたけど、遮断機を潜って電車に跳ねられたのに血が飛び散ってなく電車も気付いてないとすると、この世のものじゃないのは確実だな。」

「何で嬉々として語ってるんだよ!」

俺の言葉はスルーして手に持ってるモナカアイスを口に運んでいる。そもそも学校だぞ、ここは。生活指導は何をやっているんだ。隆さんは暫くの間、目線を虚空に漂わせていたのだが、急に俺の目線に戻してこう言った。

「俺も夕方に見に行くとするかな。」

嬉しそうに言うのだった。やっぱり、この人は普通の、普通に霊感がある人とは違う。小学校の時に感じた畏怖は勘違いじゃない。やっぱりこの人は異質だ。強張った顔をしながら、隆さんの方をじっと見ていた。…放課後に隆さんと二人で例の踏み切りに来ていた。よく見ると踏み切りは、錆び付いており如何にも歴史を感じるような何かこう不思議な感じがしていた。隆さんは、この踏み切りを人目見るなり「これは、本物だな。」と呟いている。俺は目線を踏み切りに戻した瞬間に腰が抜けてしまった。血塗れの女。昨日、電車に跳ねられた女が俺達二人を嘗めつけるような瞳でガン見していた。