【イナイレ】夏色デイズ.2 【カゲプロパロ】

memory37〜最悪の目覚め〜 ページ2

荒々しい呼吸に額には冷や汗…どうやらアタシは悪夢にうなされていたようだ。

にしても…かなりリアルな悪夢だった。しかも…アタシにとって一番の最悪な夢。

二度と会う事が出来ない奴に再会して…そしてソイツに責められる夢。

嘘だと信じたいのは、そのソイツがそんな事言わない奴だと知っているからだろうか？

A「クソッ……一体何だってんだよ」

暴走気味の心臓の鼓動を深呼吸で落ちつけながら、アタシはボソッと呟く。

すると、ガタッと物音が静かな部屋に響いた。

…誰かいるのだろうか？

A「おい誰かいんのか……？」

すると…ソイツはひょこっと顔を出し、いつものように笑った。

南雲「いやぁ悪い悪い。ふとリビングから叫び声がしたもんだから……泥棒の類かと思っちまってよォ……」

A「何だよ南雲かよ……吃驚させんな」

南雲「いやそれはこっちのセリフだっつ〜の！その叫び声がまさかアンタだったとはな……」

A「あ、それに関してはすまない」

「別にいいけどよ」と言いながら、南雲はアタシの隣に腰掛ける。

おい、何許可なしに人の隣座ってんだよ。

A「……何すました顔で女の隣座ってんだよ？」

南雲「別にいいだろ？アンタ口調とか素振りとか全然女じゃないし」

A「ハア！？アタシはこれでも女なんだよ！何なら胸触るか！？」

南雲「わ、分かったから……落ち着けよ」

すっかりアタシの気迫に負けた南雲は、素直に詫びて来る。

フン…分かればいいんだよ、分かればな！

南雲「……で？何で叫び声なんか上げてたんだよ？」

A「それは……ちっと悪夢にうなされて」

アタシが『悪夢』という単語を発した瞬間、南雲は少し口角を上げた。

まるで…『狙い通り』と言っているように。

南雲「んで？その悪夢とやらはどんなのなんだ？」

A「……死んだ奴がアタシを責めて来る夢だ」

南雲「ほぉ……確かにソイツはうなされるわな」

そう真剣な顔つきで言いつつも、南雲はどこか笑っているような気がした。

コイツ…さっきから何がしたいんだ？

南雲「実はな……俺たちの兄ちゃん死んでんだ」

A「は……？」

南雲「だから俺もたまに兄ちゃんの夢見ると、アンタみたいな感じになるんだ」

A「そう……なのか」

初耳だった。コイツに兄がいた事はまだしも、しかも亡くなっていたとは。

隣の悲し気な南雲の顔にアタシは胸が痛んだ。

南雲(まあ……その兄ちゃんを殺したのは……)

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