6つの色と色彩世界。【ワイテルズ】 (ページ37)

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『記憶』ページ37

～BroooockSide～

恐る恐る、目を開ける。
すると眼前に広がっていたのは、あの日と同じ様にどや顔をして結界の中に立っているきりやんの姿だった。

「！」

『完全防御結界』。
防御魔法である白魔法の最高位高等魔法。
使えるのは、白魔法の一族の選ばれた人間だけ。

本人の力が尽きるまで、絶対に破れない最強の盾。

「きり…やん？」
僕は、その笑顔に若干の期待を込めて伺う様に聞く。
すると、この世界に来てから初めて、望んでいた返答が帰って来た。

「Broooock。…全部、思い出した！」
「！」

「天才と呼んでくれ」とでも言わんばかりの彼の自慢気な顔。
うん、これは間違い無く。

僕の知っているきりやんだ。

～きんときSide～
「きんとき、きんときっ！」
きりやんの声が聞こえる。

どうやら気を失ってしまっていたらしい。

目を開ける。
「きんとき？起きた、よし。手短に言うぞ？俺は記憶と魔法、取り戻した。」
「っな！？」
「いいから聞いてろ。多分それは俺が『もう一人の自分』に触れたからだと思う。だからきんとき…。お前も『もう一人の自分』を探せ。ただめちゃ強いと思うから。…死ぬなよ。」

…早すぎて理解に苦しんだが、大分わかった。

そして、分かった事が有る。
この話、恐らく本当だ。

きりやんの口調が、明らかに先程と変わっている。
自信を取り戻した奴の口調だ。

「ってことでぶるーく…俺、本当だったら戦いに行きたいんだけど…。」
「あ～、わかってるこっちの情報の管理でしょ？きりやんしか出来ないから宜しくね～？」
「…ずいぶん軽くね？！」

「…まあ、それでこそぶるっくだかんな」
「ふふっ…」

さて。
俺も早く、『記憶』を見つけますか。

そう思ったの時、警報音が聞こえた。
「まずい！入り込まれてる！あ～こっちも！」

さっきとは変わったきりやんの声。彼はパソコンの間を行き来してせかせかしている。
俺もぶるっくと顔を見合わせると、戦場にもう一度出ていった。

「シャークん、Nakamu、今行く！」