6つの色と色彩世界。【ワイテルズ】 (ページ27)

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血みどろの過去ページ27

～NakamuSide～

未だ俺がほんの小さな時に起きた、悲劇の話。
やっと、少しずつ思い出すことが出来た。

忘れたかった記憶だけが、どんどん思い出されていく。
否、俺を救った「彼ら」が誰なのかは、

何時まで経っても思い出せない。

～
「見て見て母さんっ！」
今となっては簡単だなあと思うような紙ぺらを大事に握りしめ、母の前で得意気に広げて見せる。
「また100点？凄いねレオは…。今夜はじゃあレオの好きな苺パフェ付きで！」

「やった！砂糖大盛りでね！」
飛び上がって喜ぶ俺と、それを見て微笑む母さん。

この頃は、本当に幸せだったのに。

～

母さんが病気で死んでしまってから、全てが変わった。

「この役立たずっ！」
「あ゛っ…」

酒浸りな父は俺に暴力を奮ったんだ。

「お願い、止めてよ…」
「騒がしい！」

…
学校では増えていく痣を隠して。
心の傷を誤魔化して生きて来た。
でも。

「レオ～！」
彼…フレッドが居れば良かった筈だった。

確かあだ名は…あれ…誰だっけ。

思い出せないや...。

でも、無理だった。

フレッドは俺を守って魔力崩壊した。
フレッドの弟から殺害予告が来るまでにもなった。
暴力もエスカレートした。
それからもう一人の親友で有ったきりやんが、何故か学校に来なくなった。

もう、俺の精神はズタズタだった。
家に帰ると暴力で。
学校に行くと孤独だった。

力が有れば。
きりやんやきんときみたいに、俺も上位魔法族だったらどんなに良かったことか。
そう、ずっと思っていた。

そして俺は、その力の求めどころを間違って、家出するとそのまま裏社会に足を突っ込んだんだ。

2年後、事件は起こった。

「やめ...ろよ、レオッ！」
「」

バアン。
大きな音がして、俺の放った拳銃がクラスの奴の胸を打ち抜いた。

そいつは貴族の一員だった。
命令でやったことだった。

それでもみんなの前で、仲間であるクラスメイトを殺した俺の罪は軽いものでは無く。
俺自身も正義感が無かったわけではないから、罪悪感にずっと囚われ続けていた。

そのせいで、俺は完全に居場所をなくした。

みんなが知ったら失望するだろう。
特にきりやんは。

そいつと俺はかなり仲が良かったから。

俺は追い詰められたら大事な仲間を殺す奴なんだって。
もう、どうしていいのかわからない。

その時きりやんは休んでたから、そのことは知らない。

あれ。

なんで、思い出しているんだろう…。

夢は、醒めた。