6つの色と色彩世界。【ワイテルズ】 (ページ19)

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夢と苦悩の記憶ページ19

～BroooockSide～

ピッピッピッピ…

「ぶるーく！ぶるーく、起きろよ…」
知っているような、知らないような声がする。

僕は目を開ける。
其処には今までの様な変わらない5人の姿が有った。

「っ！みんな！」

僕は彼らの元に行こうと立ち上がる。すると何故か胸が痛んだ。

「うっ…」
「早く来てよ…ぶるっく遅刻なんだぞ！ちょっとは、急げよ…」

遅刻？何のことだ。
「遅刻…？」

「なあ。」
「え？」
突然、スマイルが低い声を出した。

『いい加減起きろよ。みんな待ってる』
その声が、遠くから言われたように聞こえる。

「…え？」
何かが可笑しい。

僕は彼らの直ぐ近くまで来ると、「…ごめん？」と訳のわからないまま手を伸ばす。
すると彼らの姿は。

ふっと音もせずに消えてしまった。

え？
伸ばした手は、誰の腕にも触れることが出来ぬまま下げられた。

…こんなの。
昔と何も変わらないじゃないか。

何故かそう思った瞬間、フラッシュバックが起きて。
記憶は昔にタイムリープした。
～

『…』

『お腹、空いた…』

食べるものも無ければ、寝る場所も無い。
親を殺した罰なのだろうか。

『罰としては、なんかショボくね…ｗ』
こんな状況で笑えてしまう自分に寒気が差す。

「復讐してやる！」と言って何もかも捨てて飛び出してきたはいいが、何も出来ずに今この状況である。

『おいっ！居たぞっ！』
『やばいやばいっ』

大人たちに今日も追われる。
一体僕は何がしたいのだろうか。

～

「僕は、今何をしてるの…？」

…。
誰も答えない。

「みんな…。会いたい、よ…」

応える訳がない。

『俺も』

「！？スマイル…？」
『ぶるーく、お願いだ。』

「？」
『彼奴ら...きりやんときんときの二人は、『黄色の国』に居る』
「本当！？」

僕は大きな声を出してしまった。
探していた物が見つかりそうなのだから。

『それに…。まあいいや。お願いぶるーく、彼奴らにはもう...時間が無い...』
「時間？」

『彼奴らにはそれぞれ呪いが掛かってる。掛かってもいないし意識が正常なのはお前だけだ。』
「え…」

『そろそろ...俺も限界だから…。最後に一つだけ。』

『俺の事は、忘れてくれ』
その瞬間、僕の意識は再び飛んだ。