逃げたのは ページ27
〜スマイルSide〜
ぶる「…」
俺は首を垂れ、ゆらゆらと一寸先で揺れているぶるーくを見ていた。
きんときは「約束が違う」と連呼しているし、Nakamuはひたすらに檻を壊そうと必死になっていた。
「そうか...確かに此奴を捕まえるとは言ってなかった、な。じゃあチャンスをあげよう。」
スマ「え…！」
俺は一瞬だけ、期待した。だけどその期待は直ぐに絶望に変わった。
「此奴らに勝てたら、離してやる。」
そういって男はさっききんときから取り上げた赤いクリスタルを挙げた。
きり「あっ！」
なか「まさか...ぶるっく...」
次の瞬間。
自我を失ったぶるーくが、途轍もないスピードで俺らの前に飛んで来ると、頑丈なはずの檻を吹き飛ばし、その小さめの腕に握られた炎の剣で、きりやんに切りかかった。
スマ「危ないっ！」
間一髪、俺がシールドで剣を受ける。
「君たちが長話をしている間に、此奴に例の魔法薬、新型だよ。それを投与してみたら見事に成功...ふふっ…」
そんな笑い声に、今は構っている暇が或るわけなかった。
じりじり俺のシールドに罅が入っていく。
その時だった。
俺の隣に居たはずのシャケが、崩れ落ちるように膝を付き、声に成らない様な叫びをあげた。
必死に胸を押さえて。
スマ「しまった！忘れてた！」 なか「シャケッ！」
俺は、初めて間近で、かの悪名名高い魔薬の効果を見た。
〜シャークんSide〜
痛い。
身体中が燃える様に、熱い。
抗うことは、出来ない。そんな自分が、この痛みを体験するたび身に染みて憎く感じる。
シャ「ぐっ...あ...」
せめてもの抵抗として、自分を操る自分の親をきつく睨みつけた。
今3人はぶるっくを抑えるので精一杯だ。俺まで向こう側に行きたくない。
前から気づいていた。
多分、この魔法の力は段々、俺を壊してきている。
強すぎるんだ、俺には。
後何回かこんな状態になったら、俺は恐らく...
本当に壊れてしまう。
もう戻れなくなる、そんな気がするから。
シャ「何でだよ...耐えろよ、負けんなよ！」
なか「シャケ！？大丈夫！？」
Nakamuが駆け寄ってくる。でも彼は俺の瞳を見た瞬間に顔を強張らせた。
なか「シャケッ！」
とうとう耐えられなくなって、俺は膝をつくと、声に成らないほどの大きさで叫んだ。
その声にきりやんとスマイルも気づいたのか、こちらを見て声をあげる。
きり「おいっ！負けんなよ！」
シャ「ごめん...きりやん、スマイル、Nakamu、逃げて。お願い...俺に、殺される前に！」
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らっきー(プロフ) - 紅来さん» ありがとうございます！かなり矛盾している箇所もありますが...('Д') (2019年4月21日 16時) (
レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
紅来 - 初コメです読んで感動した。よくここまで考えられるって思います。続き楽しみです！ (2019年4月21日 13時) (レス) id: 290a4e9311 (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - 弥弧さん» うえええええ？！！マジですか？！ありがとうございます！頑張らせて頂きます！ (2019年4月21日 5時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
弥弧 - らっきーさん！久しぶりのコメントです！いつも楽しみにしてました｡続編楽しみです！((毎日見てるから大体覚えちゃいました！更新頑張ってください！ (2019年4月20日 19時) (レス) id: e4d3d4fa63 (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - 零さん» はい！ありがとうございます！今後も出来たらで良いので、この見切り発車作者を宜しくお願い致しますです(´・ω・`) (2019年4月20日 17時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
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