epilogue ページ36
〜NoSide〜
一人の黒いローブの青年が、冷たい牢獄の中に入る。
そこには敵の姿があった。
「ストラデル」
「アイン...何しに来た」
「...Nakamuがお前を生かしたっていうから」
「…なら俺を開放しろ。そうすれば前よりももっといい暮らしをやるぞ」
「断る」
彼は即答した。
「なら」
「なにを言っても同じだ。俺たちはこれから自分たちの居場所を探す」
「...何がお前を変えた。アイン」
「…」
「お前は昔力をやるといったらどんな代償でも受けたはずだ」
彼は少しだけ考えると、寂しそうに笑っていった。
「…親友かな」
その声は、温かみに満ちていた。
対照的に、王の表情は固まった。
何故なら。
「ど、どういうことだっ！！裏切るのか...？なあ思い出せアインッ！！彼奴らか、あいつ等か！！」
「そうだよ。俺は力なんかより大切なものを手に入れた。それは親友」
「…アイン」
「…お前の様に、汚れていない親友だ。じゃあな。…俺の元親友さん」
その発言にも、若干の温かみを含んでいた。
〜
それから、少し時が立った。
普段と雰囲気が違う5人が、ドアを開ける。そこには赤い王冠と、白いマントを纏った彼の背中があった。
その側近の一人、Broooockは彼の名を呼ぶ。
「Nakamu」
呼ばれた、Nakamu...そう、新興国の王ライオは怯えた瞳を彼らに向けた。
「...みんな」
その五人の出で立ちも変わっているものがいた。
一人はパーカーからジャージに。一人は白のローブから黒衣に。
一人は黒のローブからスーツに。
残りの二人はいつも通りだが。
「…いやさ、リーダーならともかく王様はさ、ねえ！きりやん変わってよ！！」
王座に座る水色は、とても王とは思えない仕草で足をばたつかせた。
「じゃあ記念すべき10回目の集計取りまーす！Nakamuがいいと思う人！！」
Nakamu以外、全員の手が上がった。
「はあ...」
「Nakamuじゃないとダメなんだよ！」
「ええ…」
「ほら、いつもみたいに笑って、リーダー．．．僕らの国王様！」
「…ははっ。何を言っても無駄、かなあ…」
「じゃあ、改めてよろしくみんな！」
その水色は、優しくふんわりと笑った。
こうして彼らの旅は、不思議な終わりを告げた。
そして．．．黒の国の後続となるまだ名もない小さな新興国の異能者として、新たな生活を始めることになる。
あの日、彼は両腕を広げて笑った。
『おはよう、みんな！』
『今日は少し頑張って、次の町まで歩こう！』
『おう！』
---End---?
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すみれ - 完結からずいぶん遅れましたけど完結おめでとうございます!とてもいいお話でしたよ!最高のお話ありがとうございました (2022年10月19日 17時) (
レス) @page38 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - 更新遅れてほんっとにごめんなさい…。ていうか今日の掛けあい分かりにくっ？！ちゃんとスペース開けたのに…。 (2019年7月23日 20時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
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