勝者とその後 ページ20
〜NakamuSide〜
「きんとき、きんとき！！」
走り寄り、肩をつかんで必死に揺らす。
「しっかりしろ、なあ！！！」
だが、彼はぐったりとして目を開けなかった。
嫌な予感が胸の中を駆け巡る。
「落ち着けNakamu！まだ治療できるからどいて！」
「っ！」
よかった…。
また俺は、同じことを繰り返してしまったのに。
君も、同じことを繰り返すんだね。
「…馬鹿だね、俺たち」
ぼそっと、呟いた。
「…ああ、でもそれで、いいと思うよ」
「！？」
いい意味で期待していなかった返答が帰ってきて、俺は喜んだ。
そっか。
俺らは俺らのままでいい。
「…ごめん。忘れてやっと、思い出せないことの辛さに気づいた」
「ってことは」
「…思い出した、全部。…Nakamu！」
「っ、きんとき！！」
彼と俺の笑顔が、久しぶりに合わさった。
「…おいきんとき死にてえのか！？まだ治療途中だから無理すんな！」
「…はあ〜い、怪我人は寝て、まーす」
うん。
やっと、いつものみんなだ。
〜
時を戻して。
〜BroooockSide〜
粉塵が、収まった後。
そこで立っていたのは、
「…シャーク、ん！」
もう既に血濡れで緑が隠れた、彼だった。
「…終わった、よ。みんな…」
彼は、少し悲しそうに笑った。
咄嗟にスマイルを見る。彼は黒い蔦で無力化されていた。
彼は首を垂れていて顔が見えない。
「スマイル！！」
きりやんがスマイルに駆け寄る。
「あ、駄目。蔦は切らずに…、治療してやって」
僕はそのシャークんの言い方に、少し違和感を感じた。
彼が、隠し事をしているときの言い方。
「きりやん！！先にシャークん治療しないと危ないかも！！」
確証があったわけではない。
でも、そんな気がしたんだ。
「あー、よく、わかったね、ぶるっく…」
次の言葉を聞いて僕は絶望した。
「でも、ご、めん。」
「俺は、もう、手遅れ、だ」
壊れたラジオの様な、驚くほど小さな彼の低い声を最後に、
彼は血で紅くなった地面に膝をつき、がくん、と崩れ落ちた。
「…え？！シャークんっ！！！？？」
僕は咄嗟に彼の傷の止血をしようとした。
その時、気づいた。
彼の右腕に、紫色の不気味な紋章が浮かび出ている。
僕ら、「高位魔法種族」がもつ紋章とは別のものだ。
「…これは」
間違いなく、それは僕らが直した彼の
呪いの紋章だった。
呪いが、復活していた。
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すみれ - 完結からずいぶん遅れましたけど完結おめでとうございます!とてもいいお話でしたよ!最高のお話ありがとうございました (2022年10月19日 17時) (
レス) @page38 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - 更新遅れてほんっとにごめんなさい…。ていうか今日の掛けあい分かりにくっ？！ちゃんとスペース開けたのに…。 (2019年7月23日 20時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
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