向日葵 - 9 ページ9
次郎吉の記者会見を中継していたテレビは、会場でトラブルが発生したと伝え、中継を中止して映像をスタジオに切り替えていた。
暫くして、アナウンサーが手元に届けられたニュース原稿を読み上げる。
「ゴッホのひまわりを落札した鈴木次郎吉氏の会見場に怪盗キッドが現れました。キッドの目的はまだ不明ですが、逃亡を図ったようです。」
画面が切り替わり会見場を取った一枚の写真が写し出された。
床に伏せたカメラマンが撮ったものだろうか……、キッドらしき人物が天井にぶら下がったワイヤーを手にして、宙を舞う姿が写っている。
番組も、それ以上は情報をつかんでいないらしく、アナウンサーは同じ情報を繰り返した。
首を傾げる子供たちの前で、コナンは呆然とテレビ画面を見つめていた。
中継が中止される直前に映った宙を舞う純白のマント
コ「(一瞬しか見えなかったが……あれは本当にキッドだったのか……?)」
奴が狙うのは、宝石だけのはずなのに
なぜあのオークション会場に現れたのか。コナンの脳裏に疑問が渦巻いた。
その一方。
キッドがハンググライダーで飛び去った割れたガラスの前で園子とAが、ガラス向こう眺めていた。
すると、背後からカツカツ……と足音が近づいてきた。
ズボンのポケットに右手を入れながら、通り過ぎていく人物を見て、次郎吉が「なっ」と声を上げる。
「お困りのようですね。」
現れた人物を見て、その子とAは目をパチパチと開閉とさせた。
そこにいたのは、ブレザー姿の工藤新一だった。
次「なぜ、うぬがここに……!?」
工「キッドがひまわりを狙っていると聞いたものですから。よかったら協力させてくださ──ッ」
工藤が全てを言い切る前にAが工藤に抱きついた。
突然抱きしめられた工藤は、驚いたような表情向け、頬をピンクに染めた。
『新一……ッ』
工「っ、ぉッ……おぉA…久しぶりだな」
『今日連絡返せなくてごめんねっ、でも、会いたかった……』
よりいっそう抱き締める腕が強くなるのを感じた。
工藤とAは幼馴染で、連絡は常にやり取りしていたがある時から会うことが出来ずにいた。
そんな彼とやっとの思いで会えたのだ……
戸惑いながらも工藤は抱き着いてきたAの頭をソッと撫でた。

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ゆうみん - コナン君は、彼女ちゃんが大好きなんだね、これからどうなるのかな続きが楽しみです😄 (10月16日 7時) (レス) @page8 id: 0a46edb41a (このIDを非表示/違反報告)
みらい@マサイ(プロフ) - ハロウィンの花嫁と同時並行で進めていきます。(主が書きたくなっただけ) (2024年5月9日 23時) (レス) id: b5937c566a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みらい@マサイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mirai1212
作成日時:2024年5月9日 23時