【名探偵コナン】転生したら女で、しかも零の妹だった件について

3いち話 ページ31

『ひろくん…卒業おめでとう…』


景「……ありがとう。Aちゃん」


『うん…』




今日はひろの高校卒業式…
ブレザーに包まれ、手には渡された花と卒業証書を抱えている
そんな私は帝丹中学の制服に纏わられている。




景「零ならすぐ来ると思うよ。」


『うん…』


景「……じゃあオレも行くよ。呼び出されてるんだ」


『っ……誰に？』


景「さぁ……手紙を人伝に渡されたから、誰かは分からないかな」




卒業式に呼び出し。って言われたら1つしかない
それに手紙を人伝だなんて………やだな…

このままひろを行かせたら了解してしまうかもしれない
ひろは優しいから、人がいいから…
もし、告白されて…ひろがおっけいしたら……





────────ﾁｸｯ





景「それじゃあまた」


『ひろくん、行っちゃやだ…』


景「大丈夫。すぐ戻ってくるから」


『やだ…』


景「んっ、ん〜……」


『お願い行かないで…私の傍に居て………』




ギュッとブレザーの裾を握る

胸が痛い。
俺の大好きなひろを取られたくない……
ひろに恋人ができるなんて考えたくない、思いたくない……
嫌だ……




『ひろ……』


景「ｯ…………ほら〜、すぐ戻ってくるからさ」


『ひろくん……私、ひろくんが好き。
私、もう中学生だよ…？確かに、ひろくんと離れてるけど、私はひろくんの事ずっと、ずっと……
…………行くなら、私の告白に答えてから言ってよ…』




正直返事も聞きたくない。
ずるいって分かってる……卑怯だってことも分かってる………
でも、もう伝えきれないなら……離れ離れになっちゃうなら…………これが最後になるなら、せめて…切れる所は切りたい




景「……Aちゃんの事、好きだよ。大切な人だと思ってる
でも、Aちゃんの気持には応えられない」




ひろの言葉にプツリと糸が切れるような音が脳に響いた
ボロボロと両目から流れ出る涙がコンクリートの色を変えていく
本当に心に来た時って、声が出ないんだな……って嗚咽ですら、出る気配がない




景「……もし、Aちゃんが10年後、オレを好きでいてくれるなら、その時はAちゃんの気持に応えたい」


『っえ…』


景「オレが無事に警察官になれた時にAを迎えに行く。
だからそれまで待っていて欲しい。」




真剣な眼差しでそう伝えるひろに
さっきまでの感情が吹き飛ばされた

「約束」と出された小指に、俺は自身の小指を絡めた

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