23話 - "脳" ページ15
『烏養さん。流れ、まずいですね』
繋「……そう、だな…」
武「まずいって、何がですか?」
『この流れだと、日向が完全に捕まる。』
タイムアウト後、ブロックをサイドに寄せてきた音駒。
日向がブロックの居ない所に突っ込んで行っている事を向こうは見抜いてる。
見ている限り、研磨だろうな…
最初出会った時も、日向のシャツを見て烏野だって事を見抜いていたくらいだったからな…
さっきから日向の動きについて行っている奴も一人居るみたいだし…
日向を徹底的にマークしている人物。そして、日向の速攻の攻撃を変えないと……
繋「……A。ピンサーで1回入れるか。」
『了解です。』
ベンチから立ち上がり、その場でスクワッドを何度かする。
後半戦だけだと言われていたけど、このままの状況が続くのは非常にマズイ。
流れを変える一手なら、ピンサーの投入が一番。
ただ普通のサーブをしても無駄か……
『ジャンロー…かな……。』
町内会チームと対戦した時に嶋田さんが見せていたあのサーブ。
一発挑戦だけど、やれるだけやってみるか……
旭さんのスパイクが決まり、月島のサーブになった時ピッとホイッスルが鳴り、月島とチェンジする。
『一瞬だけでも休んどきな。月島』
月「……休むも何も、疲れてもないから」
『ははっ、そっかそっか』
番号札がない代わりに、ボールを受け取る。
まずはどうしよっかな……
西谷先輩にスパイクが飛ぶラインなら……
田「Aナイッサー!」
『狙うは、リベロ…』
コートから3歩離れた場所から、ボールを高くラインぎりぎりに上げる。
腕は振らず、前に押し出す感じ…
掌でボールの中心を……
『(捉えるッ…!)』
トッ、とそれほど鈍くない音が響き、相手のレベルの前へ一直線にボールが飛んでいく。
勢いもない、緩いサーブ。
流れが崩れるだけでいい。
ただ、こっちのコートにチャンスボールが回ってくるように仕向ければ良い。
夜「ッを……!」
大「崩れた……チャンスボール!」
『飛雄!俺に寄越せ!』
影「ッ……A!」
飛雄の頭上に飛んできたボールは、誰かに合わせたトスじゃなく、北川第一で見せていた速攻のトスが上がる。
サーブの勢いで体勢に入っていた俺は、勢いよく飛び、ストレートに飛雄の速攻を打ち抜いた。
ドズンッと深く鈍い音と共に、少し遅れたホイッスルが鳴った。

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黒猫(プロフ) - 続編希望です!大変だと思いますが待っています!! (7月15日 1時) (レス) @page30 id: 1007c929f5 (このIDを非表示/違反報告)
暁 朱雀(プロフ) - 続編希望です!いつでも待っています!! (7月15日 0時) (レス) id: 1c80823389 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいね(プロフ) - 続編希望です!楽しみに待ってます! (7月14日 23時) (レス) @page30 id: a12d659be7 (このIDを非表示/違反報告)
碧輪虹(プロフ) - 続編希望です!!よければお願いします🙇♂️ (7月14日 22時) (レス) id: 617399aba6 (このIDを非表示/違反報告)
みらい@マサイ(プロフ) - コメントにて、続編希望者が居た場合かきたいと思います。 それまで完結扱い (7月14日 21時) (レス) id: b5937c566a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みらい@マサイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mirai1212
作成日時:2024年7月2日 20時