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わけがわからねえ。
爆豪はただただ喩語Aに腹が立っていた。
第1予選の障害物競争では、まるで運命共同体とでも言うように、平然と余裕綽々な様子で全力の自分と並んでいた。
相変わらずわけのわからない個性だ。ぶっ殺したい。
そんな気持ちのまま結局、同着でゴールした。
デクに抜かされた時点でかなり腹が立っているのに、元々いけ好かない女に、まるで金魚の糞みたくひっついてこられたのだ。爆豪の中では相当苛立つ出来事だっただろう。
1発文句を言ってやりたいくらいだった。しかし、彼女はゴールしても爆豪なぞ見向きもせずに、緑谷に向かって歩いていった。
それはそれでまた、腹が立った。自分など、眼中に無いのか。しかし追いかけて掴みかかるわけにもいかないのでひたすら睨んでいた。
そのまま彼女は何かを訴えようとした後、力が抜けたようにその場で倒れた。
何だったんだあいつは。速やかに運ばれていく時にはもう意識が無かったように見えたが、少し見えた表情が苦しそうだったのを覚えている。
遂に喩語がグラウンドに姿を表すことは無かった。
競技中は全く気にならなかったが、教室へ戻って姿を見た時に思い出した。「そういや見かけなかったな」と。
当の本人はもう普通に元気らしく、帰り際緑谷に話しかけて一緒に帰っていった。
……いや待て。どうしてこいつとデクが一緒に帰るんだ。
喩語は中学校の頃から、どちらかといえば1人でいる方が多く、下校もさっさと帰るようなタイプだった記憶がある。
それが、あいつから。しかもあのデクを誘ってなんざどういう了見だ。と爆豪が思うのは自然だった。幼馴染に対してこんなところにまで執着心を燃やす必要は無いのだが。まあ障害物競争時の謎もあるけれど。
内心非常に気になる。が、明日明後日は休み。日にちを置いて聞くのも気が引けた。
その時、携帯電話が目に入った。電話か。それならば、ひらっひらふらっふら話を逸らすあいつにも何か聞き出せるかもしれない。名案だ。
……自分は喩語の番号など知りもしないくせに。
数分後、爆豪が麗日に喩語の電話番号を聞き、クラスが変にざわついたのは言うまでもない。更にその後、爆豪が怒鳴ったことも。
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りっぴい(プロフ) - 作品全部読ませて頂きました！質問なのですが、この作品のように字や背景を変えるようにするにはどうすればいいのでしょうか。 (2018年4月7日 0時) (
レス) id: 72a6f55e69 (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 冷やしチョコさん» 個性が好評のようで嬉しく思います。文才は……大変恐縮です。更新頑張ります！ (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - ログインしたくない病さん» 評価だけでなくコメントまでしていただけて私はとても嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 牙夢さん» 今回は更新じゃなくて申し訳ありません。続編もお楽しみいただけるように努めたいと思います。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
冷やしチョコ - 文才があるってこういう事なんだな…としみじみ思います。個性のアイディアが面白いし、何より小説の内容が面白いです。更新楽しみに待ってます！ (2017年8月29日 0時) (レス) id: 691aea1734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年8月13日 3時
