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「で、お前結局特別条件ソレでいいのか？」
「ええ、先程の映像を見てもっとも有用だと判断させていただきました」
相澤先生はバスを運転しながら私に尋ねた。
運転している間はこちらを見ることは出来ないだろうし、私の個性も使い放題！ と思いきや、「敵と戦う前から敵に個性を掛けるのは駄目だろ」とのことで。まあそれはそうですよね。
でもそれって裏を返せば、「敵じゃない人には掛けてもいい」ということにならない？ だとしたらそれを狙えということだ。勿論そんなこと先生にはバレバレだろうから、そんな時の為のポーチの中の物だ。
時は30分前に遡る。
「本当にこんなものでいいんですか？」
轟君と百は特に怪我等がなく、説明したら百はすぐに作り出してくれた。やっぱり“創造”って最強個性だ……百の頭が良いからなんだけど。今度お礼しなきゃ。
「これがいいんだ。これさえあれば、先生の個性は1時的にでも消える」
「そんな大層なものではありませんわ……」
目眩ましだ、と百が謙遜した。いいよ、その調子。
「お前がどんな策練ってるか知らねえが、先生に勝つ策があるんだな」
そして轟君から話しかけてくれるのは好都合だ。
「相澤先生との戦いでネックなのはあの個性でしょ、無効化の」
ほぼ同時に頷かれる。やっぱり、厄介極まりないんだな。
「だったら無効化を無効化するしかないと思って」
「な、何を仰っていますの？」
「お前そんな個性じゃねえだろ」
「その時の為のこれだよ」
――と言ったところでバスに乗るよう言われたんだっけ。休憩時間が5分とかだったけれど、先生それで平気なの？ いや、ありがたいけどさ。
個性を掛けたのはリカバリーガール、百、そして轟君……対象は先生1人だから、ギリギリ保つはず。
「着いたぞ」
ステージは轟君と百の時とは違って、視界の悪い岩場。これはこれでハンデなのだろう。走りにくそうなのが難点だが。
「見てたらわかると思うが、実力差があるなら逃げが賢明だ」
先生と近接で戦う場合、厄介なのは捕縛武器だ。見たところ硬そうだし、力技で千切るのは難しいだろう。
捕まらないで逃げられればいいが、そう上手くもいくまい。加えて、私には常に先生の視線を確認する個性も無い。一瞬異形型になるという手も考えたが、慣れない体でプロと戦うのは無理がある。
「じゃ、始めるぞ」
スタート位置につく。リカバリーガールの合図が聴こえた。
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りっぴい(プロフ) - 作品全部読ませて頂きました！質問なのですが、この作品のように字や背景を変えるようにするにはどうすればいいのでしょうか。 (2018年4月7日 0時) (
レス) id: 72a6f55e69 (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 冷やしチョコさん» 個性が好評のようで嬉しく思います。文才は……大変恐縮です。更新頑張ります！ (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - ログインしたくない病さん» 評価だけでなくコメントまでしていただけて私はとても嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 牙夢さん» 今回は更新じゃなくて申し訳ありません。続編もお楽しみいただけるように努めたいと思います。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
冷やしチョコ - 文才があるってこういう事なんだな…としみじみ思います。個性のアイディアが面白いし、何より小説の内容が面白いです。更新楽しみに待ってます！ (2017年8月29日 0時) (レス) id: 691aea1734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年8月13日 3時
