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「おはよ」
「あ、Aだ。珍しく遅かったね」
時計を見ると予鈴の3分前だった。確かにいつもより遅い登校だ。クラスの皆はもう全員いるし、私が最後だったのかな。適当に「時差ボケ」とでも言っておけば、数ヶ所からツッコミが飛んできた。それを流しながら自席に着くと、百がこちらを向いた。
「Aも大変でしたわね」
大変というのはステインのことだろう。そうか、周りからしてみれば私は巻き込まれた女生徒なのか。
「と言っても、私は特に怪我とかしてないし。ね、轟君」
「……ああ」
職場体験体験に戻った後、トレーニングとかで若干筋肉痛になったくらいで。それがまだ少し残ってるだけだ。さすがNo.2だけあって、アドバイスが的確だった。実習で試せるといいんだけど。
教室を見渡すとお茶子が強そうになってたり、峰田君が爪を噛んでいたりしてたけれど、良い意味で変わりない皆を見て少しホッとした。
飯田君も吹っ切れたみたいで、気合いが入っていて本当に良かった。とりあえず、ヒーロー殺しの事件ではそう大きく今後が変わることは無さそうだ。
重体2名から重傷と軽傷合わせて4名になったけれど、まあ治る見込みがある分いつもよりはマシかな。プラマイで言えばプラスだと思いたい。
教室を眺めながら、そんなことを考えて授業を受けていた。個人的なMVPは爆豪の七三……いや八二分けかな。授業中に気付いて吹きかけた。あっちの事務所に行かなくて本当に正解だった。
＊
「ハイ私が来た」
久しぶりの実習は随分ヌルっと開始した。どうやら工業地帯を模した運動場で競争……レースをするらしい。私の班のみ6人だ。
「爆豪だ、よろしく」
「なーにが宜しくだよ死ね」
あ、うん。変わりないね。よかったよかった。
「あえて聞いていい？ あの頭どうした」
「うるせえ！ 蒸し返すんじゃねぇよクソが！」
中々八二分けが直らなかったから気にしてたんだね。……駄目だこれ笑いが堪えきれない。あの髪型を思い出して吹き出したら、「黙れ殺す」と殺害予告をしながら両手をボンボン爆破させていた。
「まあまあ落ち着いて。親愛なる幼馴染のレースでも見ようよ」
「は？ きめぇわ見るかクソナードなんざ……」
そう言いつつ見ちゃうんだね。口が空いてるよ。それもそのはず、緑谷の動きは君に少し似ているよ。このままだと瀬呂君より早くゴールする可能性だってある。
……あ、落ちちゃった。
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りっぴい(プロフ) - 作品全部読ませて頂きました！質問なのですが、この作品のように字や背景を変えるようにするにはどうすればいいのでしょうか。 (2018年4月7日 0時) (
レス) id: 72a6f55e69 (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 冷やしチョコさん» 個性が好評のようで嬉しく思います。文才は……大変恐縮です。更新頑張ります！ (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - ログインしたくない病さん» 評価だけでなくコメントまでしていただけて私はとても嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 牙夢さん» 今回は更新じゃなくて申し訳ありません。続編もお楽しみいただけるように努めたいと思います。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
冷やしチョコ - 文才があるってこういう事なんだな…としみじみ思います。個性のアイディアが面白いし、何より小説の内容が面白いです。更新楽しみに待ってます！ (2017年8月29日 0時) (レス) id: 691aea1734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年8月13日 3時
