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全力で駆け抜けるも、爆豪との差は広がらず。代わりに轟君を抜かした。
爆豪がその時に轟君に何か言ってたけど集中した方がいいんじゃない。このままだといつもと変わらない2位だよ。まあ、私も個性使うために人に話しかけてたけど。
さて……この後にこの2人が追い越される展開は記憶に無いから、爆豪と同じで2着かな。それで私はバタンキューして棄権すればいいし、屋台の食べ物で食中毒になってるわけでもないから迷惑は最小限で済むわけだ。
「随分あっさり……」
クリア出来た。そう呟ききる瞬間、爆発音とともに爆風で転びそうになった。誰かが地雷をだいぶ沢山踏んだみたいだ。
待て……そんな展開、知らないぞ？
通り過ぎる影を見上げる。金属の板……ロボ･インフェルノの装甲だろうか。そこに誰かが乗っている。なるほど、爆風を利用して飛んできたわけだ。
いや、いったい誰が？
それが落ちてくる最中にちらりと見えた柔らかそうな深い緑のくせ毛。
「……緑谷？」
集中しろ。大丈夫だ。このままなら失速と同時に追い越せる。色々気になる点はあるけれど、それは後。このまま全速力で抜かす。
刹那、2度目の大爆発。しかも目の前。
後続に抜かされてはまずい。私の個性はこの状態で抜かされて目標の順位に届くものではない。
よろけるも、そのまま踏み出して何も考えずに駆けた。
手の届きそうで届かない位置に轟、横一直線に爆豪。
そしてそれは、ゴールまで覆ることはなかった。
息をつきたい体とは裏腹に緑谷に詰め寄る。
なぜ、どうして君が1位なのか。どうして。
彼は
後々冷静に考えれば、彼がそんなこと知るはずも無いのだが、その時の私はこの人生で1番冷静さを欠いていた。
ああ、お腹が痛い。頭がボーッとする。地面と肌が接触する。周りの人が駆け寄る。
さすがは私の個性。正確無比な効果じゃないか。
自嘲気味に笑っていると、意識が遠のいていくのを感じた。黒、というよりは暗闇に沈んでいく感覚。きっと悪い夢を見るに違いない。
緑谷の声が聴こえる。ごめんね、疲れているのにいきなり詰め寄ったりして、驚いたよね。
起きたら1番に謝るから。
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nasamakuo48(プロフ) - はじめまして。とても面白い作品で一気に読んでしまいました。こんな感じで感想等を投稿するのが始めてなので、ど書けば良いのかわからず申し訳ありません。これからも、無理のないペースで新しい作品やストーリーの続きを拝見させていただくのを楽しみにしています。 (2017年9月27日 18時) (
レス) id: 6cec3e37ea (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 紫原 舞雪 @ペアネ中 兎化さん» コメントありがとうございます。フォントは、春夏秋冬PBBをTAKAYA様よりお借りしております。 (2017年8月11日 18時) (レス) id: aa9f0c2ea2 (このIDを非表示/違反報告)
紫原 舞雪 @ペアネ中 兎化(プロフ) - とても面白くて素敵な作品ですね！これからも投稿頑張って下さい！ 質問なんですが、この作品の文字のフォントは何を使っているんですか？教えて頂けると幸いです。 (2017年8月11日 13時) (レス) id: 4dbed81eb1 (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 瑞稀さん» 個性の描写が表現できているようで嬉しいです。ありがとうございます！ (2017年8月6日 18時) (レス) id: 8c5fbde7f2 (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - かさかさスライムさん» ありがとうございます……恐れ多いです……！頑張りますね。 (2017年8月6日 18時) (レス) id: 8c5fbde7f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年7月31日 1時
