第一次まとも戦争 ページ8
そこには、深緑色のジャケットを羽織ったパンツスーツの女性。カツカツとシューズを鳴らしながらこちらに向かってきている。
第四裏天王()、きゅうりきんぐである。
彼女の右手にはUSB。部屋の明かりできらりと光っている。ひゅー、と口笛を吹くじの。
「うりさん!今回も潜入ありがとう。成功みたいだね。で?今なんて?」
彼女からUSBを受け取りPCに差しながら、じのは笑顔を崩さずに聞いた。
「え?まとも一位はうりさん」
きゅうりきんぐも笑顔を崩さない。
もちろんめいろも笑顔のまま。
「よかろう諸君、戦争だ」
めいろのその一言で、裏天王()第一次まとも戦争がーー人によっては開戦したことも知らぬ間にーー幕が切って落とされた。
めいろは着ぐるみパーカーのチャックの内側からビンを取り出す。中には不気味な無色透明の液体。
「何それ…一体どこに入れてーー」
「めいろさん以外はまともじゃない。これ裏常識。皆がそう唱えるようにすればいいのよね」
じのの台詞を遮るようにそう言ってフタを開け、にこりと笑ってーーそれをじのときゅうりきんぐ、二人に投げつけた。
「うわっ!」
「ギャア!」
咄嗟にしゃがみ込むじの。そのまま大きく横に転がっていく。
(止まるんじゃねえぞ…私!)
必死の思いで距離を取り、くらくらする頭を必死に起こす。
まだ若干回っている視界には、手袋をした手でビンを拾うめいろと、
「熱い熱いアツイ…!てか痛い…!痛いよう!」
ーー腕を押さえてのたうち回るきゅうりきんぐ。
「めいろ…!お前今何投げた?!」
怒りと驚きで敬語も忘れるじの。だがめいろも特に気にしていない。ビンを再びチャックの内側に仕舞い、じのには見向きもせず、きゅうりきんぐにゆっくり迫っていく。
「え?硫酸」
「はあ?!」
「うりさん、早く水で流しといで。跡になっちゃうよ」
めいろは涼しい顔できゅうりきんぐに手を差し伸べた。
ヒイ、と両足だけで精一杯後ずさるきゅうりきんぐ。だが後ろはもう壁だ。
退路を断たれている。
「くっ……」
「お肌に一生残る傷は残したくないでしょう。早くしないと素敵なパンツスーツが皮膚に張り付くよ」
「…………っ!」
「『めいろさんが一番まとも』はい、言ってごらん。言ったら万能薬をあげよう」
「…め…めい…」
きゅうりきんぐは口を開けては閉じ、開けては閉じを繰り返す。
言うな、言うんじゃない、とじのはテレパシーを送るように念じる。
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めいろ(プロフ) - 天王()以外の第三勢力による作品につきましては「ファンによる二次創作」と称し二次創作タグをつけております。裏天王()が微妙な位置づけのため二次創作とタグ付けしましたが、今回のように誤解を生む可能性を考慮し、二次創作タグを外します。ありがとうございました (2018年9月26日 3時) (レス) id: 31367e4336 (このIDを非表示/違反報告)
めいろ(プロフ) - まるさん» 閲覧&コメントありがとうございます^^身内ネタのため、誤解を与えてしまったようです。当作品は創作でございます。天王()メンバー全員が、自身で作ったキャラクターに自身の名前をつけております。そのためメンバーが作った作品はオリジナルとして出しております。続 (2018年9月26日 3時) (レス) id: 31367e4336 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年9月25日 21時) (レス) id: e6f4a54f51 (このIDを非表示/違反報告)
めいろ(プロフ) - 猫犬さん» あ!!重傷の人だ!!!笑ありがとう・:*+.\(( °ω° ))/.:+ (2018年9月23日 23時) (レス) id: 31367e4336 (このIDを非表示/違反報告)
猫犬 - わーい!!!!めっちゃ面白い!続き全裸待機する( ˇωˇ ) (2018年9月22日 19時) (レス) id: 21c60ad337 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めいろ | 作成日時:2018年9月17日 4時