【NG編】思わぬ危険 ページ16
「曲弦糸……!」
使わせてしまったか、とめいろは心の中で激しく後悔する。
重力・反発力・摩擦力・遠心力…はたまた滑車の定理など、この世に満ちあふれる様々な力を駆使して糸を操る曲弦師。そのエキスパートであるじのを敵に回して、ただでは済んだ者はいない。
「どうする?今ここで私が終っと指を降ろせば、めいろさんの人生も終わるけど」
「ご…ごめんなさい」
なるべく口を動かさないようにしながら、めいろは言う。
「じのさんが一番まとも。貴女に忠誠を誓います。というかとっくに誓ってます。貴女が第一裏天王()なんですから!」
「本当かなー?」
「本当です!」
頷きたい気持ちを目一杯抑え、叫ぶめいろ。
「じのさんが一番まともです!」
ーーその声と、同時に。
「じのさーん、うりさんが盗ってきたデータ早くちょうだいって連絡したんだけどー」
「スマホ見てないのー?」
と。
きゅうりきんぐが出ていった扉が、再び開く。
意表を突かれ、ビクリと肩を震わせるじの。
「ーーあ、やば」
「……なんばしよーと……あ」
その向こうからは第五裏天王()栗花落と、
「あ」
その後ろに犬の耳を生やし目を丸くした吉田が現れ。
扉が開いた勢いで部屋中に張り巡らされた糸は活動を開始する。
一瞬でも身体を固めてしまったことを後悔するじの。だがもう遅い。糸はもう止まらない。
ひうんひうんーーと。
唸るような音が空気を裂くように聞こえたかと思うと同時に、めいろの身体は『びいん』と張り、しかしそれも一瞬、三人が瞬きを終える頃にはーー彼女の身体は木っ端微塵のばらばらにーー切り裂かれた。
ブロックでできた敵を倒したときのように頭が髪が肩が腕が肘が手が指が腰が尻が腿が脚が足が、黄緑色の着ぐるみパーカーもろとも一瞬で千切れ千切れの肉片となって床に飛び散ってーー、そしてようやく、血が噴き出した。
「………………」
「………………」
「………………」
「………………」
「………………」
「………………と」
とりあえず、と。
栗花落が震えた声で言う。
残りの二人はまだ青い顔をして、ぴくりとも動かない。
「だ……第五天王()つかさんを……呼ぼう」
彼女は人外の技を操る女神の名を、呼んだ。
END
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めいろ(プロフ) - 天王()以外の第三勢力による作品につきましては「ファンによる二次創作」と称し二次創作タグをつけております。裏天王()が微妙な位置づけのため二次創作とタグ付けしましたが、今回のように誤解を生む可能性を考慮し、二次創作タグを外します。ありがとうございました (2018年9月26日 3時) (レス) id: 31367e4336 (このIDを非表示/違反報告)
めいろ(プロフ) - まるさん» 閲覧&コメントありがとうございます^^身内ネタのため、誤解を与えてしまったようです。当作品は創作でございます。天王()メンバー全員が、自身で作ったキャラクターに自身の名前をつけております。そのためメンバーが作った作品はオリジナルとして出しております。続 (2018年9月26日 3時) (レス) id: 31367e4336 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年9月25日 21時) (レス) id: e6f4a54f51 (このIDを非表示/違反報告)
めいろ(プロフ) - 猫犬さん» あ!!重傷の人だ!!!笑ありがとう・:*+.\(( °ω° ))/.:+ (2018年9月23日 23時) (レス) id: 31367e4336 (このIDを非表示/違反報告)
猫犬 - わーい!!!!めっちゃ面白い!続き全裸待機する( ˇωˇ ) (2018年9月22日 19時) (レス) id: 21c60ad337 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めいろ | 作成日時:2018年9月17日 4時