【鬼滅の刃】君がため《短編集》2

竈門禰豆子『大切な人』 ページ10

禰豆子side



初めて貴方とあった時、あなたは私を見て



貴「可愛い！！！私の妹にしたい！！」



そう言ってくれた。



Aさんの方がずっと可愛くて、綺麗なのに…。



そして私が鬼だと知ってもなお、



貴「鬼？そうなんだ！なら太陽に当たらない様に気をつけなきゃね！！お腹とかすかない？何も食べなくて大丈夫なの？？」



そう言ってすぐに受け入れて、逆に私を心配してくれた。



本当に…優しい人…。



そんなAさんだったからすぐに打ち解けたし、一緒に居るのがとても楽しかった。




だけど、その優しさが…もっと大きな悲しみを生むことだって…ある。




そう…。私のせいで…。



貴「禰豆子ちゃん…。怪我は…してない…？」



(Aさん！！！どうして私を庇って…！！)



Aさんは私を庇って大怪我をおった…。



なのに私の心配まで…。声をかけたいのにこの竹筒が邪魔をして話す事さえ阻まれる。



(お願い死なないで！！私のせいで…逝かないで！！！)



私が斬られれば…誰も傷つかなかった。


だって私は鬼だから…どんな傷でも…治るのに…なのに！！！



貴「禰豆子ちゃん…貴方が考えてる事…何となくわかるよ…。

だけどね…私は禰豆子ちゃんが傷付く姿を見たくなかったの…。だって…大切な人だから…。」




大切な『人』…その言葉が酷く胸に響いた



目から涙が溢れて止まらない…



それだったら…私だって…Aさんは…私の本当に…大切な人なのに…。



貴「ありがとう禰豆子ちゃん…私と仲良くしてくれて…一緒に居てくれて…。

いつか禰豆子ちゃんが…太陽に当たれる日が来る事を…空から祈ってるよ…」



そう手を取ったままAさんは息を引き取った。



Aさん…必ず私が…仇である鬼舞辻無惨を倒してみせます…。


待っててください…私の…大好きなAさん…。



あの太陽に…貴方に顔を上げて笑えるようになるまで…。

我妻善逸『紫陽花の君』ハイドさんリクエスト→←我妻善逸『世界の色』

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す