【鬼滅の刃】君がため《短編集》

伊黒小芭内『笑顔』 ページ10

伊黒小芭内『笑顔』伊黒side



ある日の任務後、Aが傷だらけで帰ってきた。



怪我をしたAに何故だか腹が立った



伊黒「お前など柱にいても居なくても何も変わらない。

第一弱い癖に足でまといだ。お前は何もしなくていい。」



胡蝶「伊黒さん。言い過ぎですよ。Aは頑張っています。」



貴「ごめんね。私、もっと強くなるね」



そう言ったAは悲しげに笑っていた。



その顔が忘れられない。



その日から顔を合わせる頻度が減った。



胡蝶「そろそろ謝ってきては？仲直りしてくれないとこちらとしても気分が悪いです。」



胡蝶にそう言われ、仕方なくAの元へと向かう。



今は任務に出ているそうだ。



任務場所の近くでは十二鬼月の目撃情報も出ている。



少し心配だ。



仕方ない。どうせ手こずっているだろうから助けに行ってやろう。



そして其処に辿り着いた時には日が昇る前。



薄暗い中Aは大きな岩にもたれて寝ていた。



伊黒「おい。起きろ。何をこんなところで寝ているんだ。風邪でもひいたらどうする。」



その声にも起きないことに不安を感じた。



伊黒「おいA…！！」



揺さぶった体は抵抗することも無く重力に従い地面に伏せる。



朝日が登り、初めてその場所が血塗れであることに気がついた。Aの小さな身体には無数の傷があった。




運悪く十二鬼月と遭遇したAは、仲間を逃がすために1人で立ち向かったのだ。



俺はAを背負うと急ぎ蝶屋敷へと向かう。



背中にいるAはすごく軽い。相当の量の血が無くなっている。



それから胡蝶の治療を受け、何とか命を繋いだAだった。



だが、目が覚めたAはまるで別人のようになっていた。

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