五条先生に嫌われてなかったっぽい

第六十六話 ページ18

「おいAアレやろーぜー」

あの任務から数日、すっかり絡まれるようになった

『･･･やらない』
「は？強制な？俺勝ったら名前で呼ぶことー」

正直はぁと溜息をつきたくなる程に絡まれてる

ゲームで勝負を持ちかけては負けたら名前で呼ぶことなー、とそれはもうめちゃくちゃにしつこい

もはや無視しない私を褒めて欲しいレベル

そんな絡まれる理由は単純で、一回目に呼んだ悟くんが余程面白かったのか恥ずかしい思いをしてる私をからかいたいのかどちらにせよ初回が原因なのは確実で。

時にはジャンケンから始まりトランプ、任務が一緒なら今回の補助監督さんは誰か当てた方が勝ちとかそんな事ばかり

幸いな事にそんなこんなな勝負を今の所全て勝っているのはもはや人生の運を使い果たしてると思う

だけどそれもいつまでもは続かないのは分かってる

そんな必ず負けが来るであろう日々に私は心の準備なんて出来る訳もなく

『ねぇ硝子〜！助けてよ〜！』
「んー、面白そうだからパスで」

そう隣の席の硝子に縋る思いで言うも薄情過ぎて辛い

『傑〜』
「名前くらい呼んであげればいいじゃないか」

もはや私の味方は誰もいない、そう思っていれば目の前の元凶もそうだそうだ〜名前くらい呼べばーかとか言っている

バカは余計だけどもはやここは諦めるしかなさそうで、

『はぁ、･･･じゃあ私が負けたらね』

そう言えば頑固かよとか言われたけど知らない。

こっちはもうあの一回目がトラウマレベルに恥ずかしいんだよ？！

私があの時、すっと呼べば今こんな事にならなかったのに変に照れたりしたからこうなったわけで、

こうなればとことん私が負けるその日までは呼んでなんかやらない、ともはやこれは意地だ



『はぁ〜勝ったぁ！』
「はぁ？お前強すぎじゃね？」
『最近の運気に感謝』

放課後、強制ゲーな？からの勝利、やったぁとコントローラーを置いて始めた頃を懐かしんでいれば隣から視線を感じる

『な、なに』
「･･･そんなに俺の名前呼びたくないわけ？」

やけに真剣なその顔に流石に意地になり過ぎた、？と罪悪感が顔を出してきた

『そういうわけじゃないけど･･･勝ったから』
「ふうん、じゃ、次は負かすから名前呼ぶ練習でもしとけ」

そう意地悪そうな顔で言う彼に本当にもうそろ負けそうな気がしてきてならない

『次は何で勝負？』
「言わねー」
『不公平なのとかなしだよ？』
「分かってるつーの」

次は何の勝負かな、なんて少し楽しみなのは絶対に内緒

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