五条先生に嫌われてるっぽい

第三十七話 ページ37

だけどアクションだと思って完全に油断していた

「こら呪力乱れてる」

めちゃくちゃなラブシーンが来たんだけど？！

それを見て乱れる呪力を指摘されるってもはやラブシーン見てるより恥ずかしいんだけど？！

もうやだ映画止めて！違うのにしよ！そして呪力ちゃんと一定になって！と早々この地獄のような空気から逃げ出したい

ちらりと横にいる五条先生に視線を向けてみれば予想外にもバチりと目が合って驚く

え、なんでこっち見てるの･･･こっち見てないで映画見てよ、とは思ってても言えず、私はすぐ視線を逸らした

「これ、見た事あるけどこの後もっと凄いよ」

いやそれ最初に言ってくれません？というか見た事あったの？凄いって何が？聞きたくないけど何が？！

もう、なんで知っててこれを承諾したの、気まずいでしょ。それともそういったシーンがあっても気にならないくらい凄く面白い？はたまた揶揄われてるのか

どちらにせよ内容はこの空間のせいで頭に入ってこなくなってきた。私何でこんな恥ずかしい思いしないとならないの、呪力操作とは一体

何て心の中で悪態ついてれば突然

「こういった事も練習する？」

とそう小さく耳元で囁かれてビクリと肩が上がった

言われた事が一瞬理解できなくて、だけど直ぐに分かって顔に一気に熱が帯びて心音が早まっていくのが分かる

『な、なに、言って･･･』
「余りにも初々しい反応するからそういった事にも慣れといた方が良いんじゃないって思って」
『よ、余計なお世話ですよっ！』

冗談だよ、なんて五条先生はそう言うもその後黙って私の手をぎゅうぎゅうと握りしめてこっちを見てくる。

いや冗談か判断しずらい事言うの辞めてください！

何にせよこの空気は経験したこと無くても分かる、多分アウトだ、と頭の中で警報が鳴る。野薔薇が聞いたら釘刺されるよ絶対！物理の方で！

冗談でもこういう空気は苦手だ、

『大体そういう事って好きな人とか』
「なに好きな人いんの」
『そうは言ってないですよね？！』
「もしかして恵？」

なんでここで恵、ねぇ先生もしかして意外と恋バナとか好きなの？いやでもこの状況で話すか普通、、、と訳が分からなくなって混乱している私を他所に先生が詰め寄ってきた

近い！近い！なに何故落ち着いて！しかも今日に限って目隠ししてないのですか五条先生！

「今また呪力乱れた･･･なに、まじで恵なの」
『違いますよっ』
「じゃあなんでこんな呪力乱れてんの」

だ、誰のせいだとっ！？

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