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「じゃあ、行きますか」
「ですかね」
「ゲーム持って行かねえの？」
「んなトコ持ってって壊れてデータ飛んだらワタシが死にます」
前を見据えたまま、横に並んだままのふたりは、目を合わせることもお互いの表情を確認することも無く、お互いの考えていることが手に取るように分かるんだと言わんばかりに同時に一歩を踏み出す。
ポケットに手を入れたまま。
一歩一歩、黒いもやもやへと進む。
ふたりが進みだすと、箱を起点にした反対側に姿を現した青年がひとり。
その青年は、力強い視線を真っ直ぐ前に向け、反対側の黒いもやもやと向き合う。
その存在感は孤高で、誰も寄せ付けぬ雰囲気を醸し出しているものの。
ただただ真っ直ぐに前を向く視線には、誰しもが寄り添いたくなる雰囲気をも同時に備え。
ふと不安げに瞳が揺れ、青年はふたりを振り返りそうになるが、その気持ちを堪えて真っ直ぐに前を向く。
彼は知っている。
自分が背中を任されていることを。
彼は知っている。
背中を任されているということは、同時に自分の背中を任せられる存在だということを。
彼は知っている。
自分を両輪と喩え、自分に特別な愛称を与えたふたりを、同じくらい大切だと感じていることを。
彼は知っている。
自分が撃退側に回った時、彼らが迷わず自分の背中を守ることに徹してくれるということを。
彼は知っている。
自分達の役割はそれぞれなのだと。
「……ま、そろそろでしょ」
ふぅ、とひと息。
細く長く息を吐きだした彼は、気持ちを入れ替えたのか、力強い瞳を真っ直ぐ前に向け直した。
その時。
黒いもやもやの一角、ふたりが撃退し青年が守りを固める場所の丁度真ん中の向こう側辺りが、目を開けていられない程に光り輝いたかと思うと、真っ白になりキラキラと空に溶けていった。
ぱぁっ、と。
柔らかい光が放たれ。
光を放ったその場所が、黒から白に色を変え。
真っ白になったかと思うと、空気に溶けていくと共にキラキラとした輝きが空に昇っていく。
その瞬間、三人は同時に口角を上げる。
「来た来た」
「おっっっそいんすよねぇ」
「ロケだったんじゃん？」
また違う一角が光に溶けていく。
「アレできるの、アイツだけだよなぁ」
「ほんっっっとバカなんすから」
「……ま、らしい、よね」
また、三人の口角が上がる。
それは、向こう側からブンブンと大きく手を振る姿が見えたから。
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あっちゃん(プロフ) - 黒衣さん。mioちゃん。たくさんポチしたい！いいね？ずーっと押していたいよ。 (2019年7月8日 11時) (
レス) id: cd7b6e55f7 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - さゆさん» コメントありがとうです^^ お読み頂けて嬉しいです。私もmioさんと同じくイイコじゃないので、言霊を信じて思いの丈を言葉に乗せたいと頑張ってます。沢山もらった元気と勇気と幸せ、少しでも私達から彼らに返したいですね。彼らの笑顔は私達の原動力だし！(笑) (2019年4月27日 23時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます。彼らの優しさに温かさに胸一杯になり涙しました。私も強くあらねばと思いました。沢山沢山、元気と勇気と幸せをもらったから、そんな彼らを応援したいと思います。やっぱり好きな人には笑顔でいてほしいから。 (2019年4月16日 10時) (レス) id: b39ec88e32 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうです^^ レス遅くなりまして(汗) 楽しんで頂けたようで嬉しいです、ありがとう…って仕事中かい！(笑) でも、何度も読んで頂けたのとても嬉しいです！でも良い子は真似しないように！(笑) これからも楽しんで頂けるように頑張りますね！ (2019年3月30日 23時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - のりさん» コメントありがとうです^^ レス遅くなりました(汗) 少し落ち着いたのですね^^ 緩む事も大事ですよね、爆発する前に。そして後悔しないようにしたい人発見！(笑) 反省はいくらでもして良いと思うんです、後悔したって取り戻せないし。そしてシンパシー！(笑) (2019年3月30日 23時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みおくろえ
x他1人 | 作成日時：2019年2月7日 23時
