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二頭の番犬は、凛と立つ。
箱の傍らに、箱の前に凛と立つ。
正に満身創痍な状態なのに、彼らは立ち続ける。
時間の経過と共に癒えていく傷もあれば、彼らに尚影響を与え続ける傷もある。
それでも二頭は、箱に収められた『何か』の為に、立ち続ける道を選んだ。
そんな彼らを、箱は見守る事しか出来ずにいたけれど。
ある日、気が付いた。
箱の後ろで、彼らの背中を守る青年の存在に。
四方八方から伸びてくる黒いもやもやが、彼らの背を襲おうとするのを守り続ける青年は。
強い意志を持った表情を前に向け、守り続ける行動から包み込むような優しさを滲ませ、彼らの後ろに立ち続けていた。
二頭が満身創痍な状態だ。
彼だって無事では済んでいないだろう。
箱が思っていた通り、青年はその身を盾にして、一身に攻撃を受け続けていた。
それでもなお自分の感情が出ないようにと表情を引き締め、何でも無い事のように踏ん張り続けている。
君だって傷付く必要なんてないのに。
箱がそう考えたことを感じ取ったのか、青年はちらりと箱を振り返り、目を細めて片方の口角を上げて呟いた。
「このままにしておけないでしょ」
戦い続ける二頭と、守り続ける青年。
その姿を見守る事しか出来ない箱。
黒いもやもやが去っていく様とそれでも箱の前に立ち続ける二頭を見ると、青年はふわりと優しい表情を見せ安堵の息を吐く。
その横顔はしっかりと前を見据え、ふわりと起こった風に靡く髪はまるで獅子王の風格。
しかし青年は、二頭に声をかけるでもなく、箱に触れるでもなく、そのままどこかに行ってしまう。
青年の姿が消えてから、二頭は語る。
気付いてないハズないでしょ、と。
そうして、二頭は微笑み合う。
照れ屋で可愛い自慢の末っ子だよ、と。
そうして眠りに落ちた二頭の傍らに、薬箱を手にした青年が姿を現し、照れ臭そうに下を向く。
二頭が眠る間、青年はじっと箱を見つめる。
その視線から、箱は己の中身が大切な存在だと改めて認識すると同時に、そこまでして彼らが守りたい『何か』が羨ましいとすら感じ始めていた。
眠る二頭に視線を動かした青年は、ふっと表情を緩ませ苦笑いにも似た笑みを浮かべながら箱に語り掛ける。
「ホント、ウチの人達って手が掛かってしょうがないよね」
そう呟きながら腰を上げた青年は、大きな翼を背に携えた一角獣に姿を変え。
二頭と箱を守るように立つ。
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あっちゃん(プロフ) - 黒衣さん。mioちゃん。たくさんポチしたい！いいね？ずーっと押していたいよ。 (2019年7月8日 11時) (
レス) id: cd7b6e55f7 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - さゆさん» コメントありがとうです^^ お読み頂けて嬉しいです。私もmioさんと同じくイイコじゃないので、言霊を信じて思いの丈を言葉に乗せたいと頑張ってます。沢山もらった元気と勇気と幸せ、少しでも私達から彼らに返したいですね。彼らの笑顔は私達の原動力だし！(笑) (2019年4月27日 23時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます。彼らの優しさに温かさに胸一杯になり涙しました。私も強くあらねばと思いました。沢山沢山、元気と勇気と幸せをもらったから、そんな彼らを応援したいと思います。やっぱり好きな人には笑顔でいてほしいから。 (2019年4月16日 10時) (レス) id: b39ec88e32 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうです^^ レス遅くなりまして(汗) 楽しんで頂けたようで嬉しいです、ありがとう…って仕事中かい！(笑) でも、何度も読んで頂けたのとても嬉しいです！でも良い子は真似しないように！(笑) これからも楽しんで頂けるように頑張りますね！ (2019年3月30日 23時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - のりさん» コメントありがとうです^^ レス遅くなりました(汗) 少し落ち着いたのですね^^ 緩む事も大事ですよね、爆発する前に。そして後悔しないようにしたい人発見！(笑) 反省はいくらでもして良いと思うんです、後悔したって取り戻せないし。そしてシンパシー！(笑) (2019年3月30日 23時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みおくろえ
x他1人 | 作成日時：2019年2月7日 23時
