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「はぁ…」







2週間前


まさかの私のハジメテを奪われることがあるなんて…


しかも、知らない男の人


顔がぜんっぜん思い出せない


体格は良かったし、細マッチョて感じだったし


すごい優しそうな人だったなあ…ってところまでしか覚えてない


あとネックレスとピアス


あの柔らかい石鹸の香り…








「いや何考えてるのっきもっ!」








1人、カフェで抹茶ラテを飲みながら


さっき事務所から渡された書類をみながらため息をつく。


やけに広くて綺麗なお家だったな…


すごい潔癖そうだった


生活感のあるようなないような…








考えだすとそっちのことばかり。


あの男の人って、お金持ちなの?


一人暮らしぽかったけど広かったお家


マンションセキュリティーしっかりしてた…






って、もしかしたら芸能人とか!?!?


いや私に限ってそんな芸能人の方から誘われるような人材じゃないし…


ましてや、私なんて所詮世間から捨てられた女だし…


昔は有名だった、ある程度。


それなりの人気だった。


気付いたら、周りから離されていったんだ


誰かが私を羨んで、私を悪い話で漬け込んだんだ…
























「っは!!」






ふと時計を見たら23時を指そうとしていた。


あっぶない、今私、カフェで寝過ごすところだった。







来たのは16時。


え、何時間いたの???







考え出したら止まらなかったせいで


次々良くないことが頭に過ぎってしまう。


そう言えば、私が脱退せざる追えなくなった


地下アイドルのグループ


私が抜けてから崩壊しかけたくせに


良いように事務所が動かして


握手会の券を同封


気づけばCDの売り上げが上がっていて


今日、初の生放送でるんだっけな、


あ、終わっちゃったか…







お家帰ったらチェックしてみよ。


あの、無様な負け組達のステージを。







急いでテーブルの上から


プリントやら冊子を片付けて


ぐぃっとラテを飲み干し、店を出た。









都会の夜は


とっても闇の暗さが滲んでいる。


外灯とお店の明かりであかるいんだけれど、


どこか、汚い部分がある。


見てはいけない、信じてはいけない


都会は怖いよ。









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作者名:サトウプリン | 作成日時:2020年7月1日 0時

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