照らすために息をしている (ページ25)

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24．チョコレート・マガジンページ25

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「Aちゃーん、電話鳴っとるで」
「え～？誰？」
「“まめちゃん“」
「あとでかけなおす」

夜ご飯を作ってくれるAちゃんのスマホにかかってきた電話。

まめちゃんという名前で犬のアイコン。
初めて見る名前だった。

いい匂いがしてきた。

鍋の前で何かを煮込むAちゃんに後ろからくっついて

カレー？と聞くと、
純喜くん煮込み料理カレーしかないと思ってるでしょと言われた。

さすがにそんなわけないやん。
シチューとか知っとるし。

出てきたのはハヤシライスだった。

ごはんを食べてお風呂に入ってひとしきりじゃれ合ったあと、
クーラーの効きすぎた部屋で布団にくるまって眠る。

枕ナシ派の俺と枕アリ派のAちゃんで話し合いをした結果

枕ナシでAちゃんは俺の腕枕で眠るという結論に至った。

正直、朝起きた時の腕の痺れが尋常じゃないけど、可愛い寝顔を一番近くで見れるからいいだろう。

腕の中にすっぽり収まったAちゃんはもう眠りに落ちそう。

寝る前にこしょこしょと話すAちゃんのオチのない話が好き。

「あ、そや。まめちゃんって誰なん」
「バイト先の後輩だよ」
「へ～どんな子？」
「１年生で、豆柴に似てる」
「だからまめちゃんなん？」
「うんそれもある」

「へー背え低そうなあだ名やね」
「すごいかわいいの」
「へー」

「気になる？」
「ならんこともないけど」

今度見に来てね、プリンサービスするよと本格的に目を閉じた。

あごに出来た小さなニキビが痛そう。

思われニキビやったっけ。

俺の想いが強すぎるせいやなーなんて、そんなことを思ってるうちに規則的な寝息に変わる。

寝るの早。

豆柴のまめちゃんか。Aちゃんの友達なら絶対いい子やな。

1年生ですごい可愛いんや。

いや別にかわいい子が見たいんじゃなくて、プリンが食べたいからまたAちゃんのバイト先行かないとな。

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