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2.プリンと木曜日 ページ2

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「え?Aちゃんってあそこでバイトしてるん?」

「最近始めたの!」



「何枚皿割った?」

「まだ割ってないよ!失礼だな!景瑚は黙ってて」

「まだ、なんや」



学校の近くの喫茶店。髭の生えた渋いおじさんがやっている。

流行りのカフェではないけれど、雰囲気が良くて1度だけ行ったことがあった。



人混みが苦手らしいAちゃんはこういう喫茶店が落ち着くから好きなんだそう。


今度遊びに行くねと言ったら特製の手作りプリンが美味しいんだよと教えてくれた。





「ねえ、A今日バイトだって」




にやにやしながら俺に報告してくる顔がうっとおしい。



木曜日の空きコマ。課題の提出も済んであと30分くらい時間がある。





「だからなんやねん」

「いつになったら行くの」

「少なくとも今日やない」

「違います、今日です」





Aちゃんのバイト先を教えてもらってから、景瑚に内緒で一度行ったけどAちゃんはいなかった。

 

心の準備が必要だろうがと言いたい俺の腕を、景瑚は構わずぐいぐい引っ張ってお店に向かう。


こいつは俺で遊んでいる。いつか絶対にしばく。




彼氏がいるって分かってるとなかなかアピールできないのが現状だから、こうやって無理矢理にでもどうにかしようとしてくれるのはありがたい。

…いや、そうか?



それにしても景瑚はAちゃんの彼氏とも友達なのにいいんだろうか。





扉を押し開けるとカランコロンと懐かしい音が鳴る。

景瑚にバレないように小さく深呼吸をすると真っ先にAちゃんの姿が目に入って、そのまま息が止まるかとおもった。

店内に入るとAちゃんは目を丸くしてびっくりした顔をした後、笑顔でいらっしゃいませといった。


白いシャツにスカート、黒いエプロン。いつものAちゃんと雰囲気が違う。




「来るなら言ってよ」

「ごめん」

「純喜くんはいいよ、景瑚だよ!どうせ笑いに来たんでしょ」

「そんなことないよ、お皿割るとこ見に来ただけだって」



絶対に割りません!!!と怒った顔をしたAちゃんを見て景瑚が笑ってる。仲良いな。






おすすめされたプリンは固めで上にクリームが乗っていて美味しかった。




そのあとAちゃんは俺らがいることで調子が狂ったのか、
はたまた景瑚の呪いなのか、洗っていたグラスを割って店長に怒られていた。




そんなAちゃんのことを、景瑚が嬉しそうに馬鹿にしたストーリーを撮っていた。





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名無し96612号(プロフ) - コメント失礼します!いつもふふさんの作品大好きで密かに読まさせてもらってます!降り注ぐ幸福の下でが見たいのですが、友達申請してもよろしいでしょうか? (2023年1月31日 23時) (レス) id: 4a8c56b8ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふふ | 作成日時:2021年4月20日 16時

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