28:純血種 ページ29
Aside
昨日、歌詞さんを狙ってた奴は来なかった。
その代わり使い魔が来た。
影で出来たコウモリ。
この使い魔を使って血を少量ずつ吸って自分の所に届けていたんだろう…。
だから私の血を飲ませた。
今日は満月。
喉が1番渇く日。
使い魔じゃ足りず本人が来る筈。
…ねぇ、そうだよね?
昨日と同じ公園でそらるさんとまふ君と一緒。
そこに来た、僅かに光った赤い目をした吸血鬼。
「あ、まつき…さん?」
「A…」
「大丈夫、殺さないよ」
意識はないから呼び掛けには反応しない。
ただ体が血を求めて動いてるだけ。
傷付けちゃうよ、こめんね?
「眠りなさい」
天月さんを強制的に眠らせる。
後ろに周って天月さんの首筋を噛む。
ごっくんって血を飲む。
敬意を辿る。
「あー、成る程ね…うん」
「A、説明」
「天月さんは貧血状態に陥って、眠ってた極薄の吸血鬼の血が覚醒して歌詞さんの血を吸ってただけっぽいね」
「……つまり、?」
「天月さんの血を吸ってた人がいる」
許さない。
公園の入り口からまたひとり。
燃えるような赤い目の吸血鬼。
「あれ、Aと同じ目の色…」
「純血種だな」
純血種の肩にカラスを乗っけてる。
あのカラス…もしや…
「オロカモノー」
やっぱり!!!
あの時のカラス!(10話参照)
「そらるさん、まふ君と天月さん連れて行ってくれるよね?」
「…分かった」
そらるさんが有無言わさずまふ君と天月さんを担いでどっかに行く。
「…最初から私狙いだったんじゃん、うざ」
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作成日時:2017年9月27日 14時