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23:微睡み ページ24

まふまふside
静かに眠ってるA。
僕の体を温かいと言って笑って手を握ったまま。
冷たいAの手。
小さくて細くて白い女の子の手。
力を入れたら直ぐに折れてしまいそうで怖い。

「ん、…」
「あ、おはよ」

微睡んでるAが声を掛けるとジッと見られる。

「うん、おはよう」

嬉しそうに笑う。
静かに幼く笑うAはいつもと少し違う。

「A?」

握ったままの手に顔をスリスリと寄せる。

「好き」
「ふぁ、?!」
「だから早く私を殺してね?」
「……え?」

また直ぐに眠りにつくA。

「A…?」

今、何て言った?
殺して?どうして?

いつもとAは違った。
初めて見るAの姿。
僕を誰かと勘違いした?
Aは誰に言ったつもりだった?
Aはどうして殺してほしいなんて…
何であんな笑顔で…そんな事を言うの?

頭ん中がごちゃごちゃして混乱する。

ただ初めて会った時のピアノの音が頭の中で流れてる。
あの綺麗な透き通るような音…そしてどこか切ない音。

…ねぇ、誰を思って弾いていたの?

モヤモヤする。
少し自惚れていた。
僕はAの特別だってどこかで思ってた。
だけど考えてみればそうだ。
150年以上も生きていれば特別な存在がいてもおかしくない。
例えば思い人とか…

「それは、嫌だなぁ…」

24:特別→←22:優しい温もり



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作成日時:2017年9月27日 14時

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