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その日の朝、来訪したデュースを寮に上げ、エースの事を任せた。
そしてAは真新しい制服を身に纏ってナイトレイブンカレッジに一足先に登校する。
あの鉱山での出来事を経て、今まで授業の補佐役として動いていた自身がこの制服を着ることになるとは、と驚愕したものだ。
黒の、見慣れない制服。
自身が本来袖を通していた水色のブレザーが今はもう、懐かしい。
( ……早ク、またあの場所へ )
焦燥も、不安も。
今は隠して前を見据える。
背筋を伸ばして、歩いた。
人々を魅了してこそ、アイドル。
「お、Aさんだ…」
「あの人が異世界から来たっていう…?」
「今日も綺麗だな…」
「なんで今日は制服なんだ?いつも白衣だったのに。」
「お前知らないのか?入学式のあのモンスターの監督役として編入することになったんだと」
'' オンボロ寮の監督生 '' 。
「しかし制服…似合ってるな…」
「ああ。いつもの白衣姿もいいけど、こっちの黒い制服もなかなかクるものがあるよな…」
「バカ、お前!寮長に刺されても知らないぞ!」
( 聞こえてるんだけド )
先日学園長から制服を手渡された。
少し、否、かなり彼の趣味趣向を取り入れた制服だ。
グリムと揃いの薄紫の魔法石が嵌め込まれ、鍵を模した形の、細かい装飾が施されたいかにも高級そうなブローチ。
黒いレザーで作られたベルトの装飾で飾られているコルセット。
華奢な身体に似合うピッタリとしたサイズ感の制服。
また、彼の耳につけられたイヤーカフは魔法薬学の教師、クルーウェルからの贈り物である。
クルーウェル自身のピアスと揃いの素材で作られた、シンプルながらも洗練された一級品だ。
イヤーカフには特別な魔法がかかっているのだとか。
( …そういえバ、グリムは彼らについていったのかナ?
また面倒ごとが起きたりしなければいいけれド。)
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レモン - コメント失礼します。すごく面白かったです!!私夏目くん結構好きだしツイステも推してるので見つけたとき飛び跳ねましたW最近は更新されてないようですが、無理をせず頑張ってください!応援してます! (2023年2月19日 16時) (レス) @page16 id: 069557edb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋真 | 作成日時:2022年12月6日 2時