_裸の王様を愛した聖騎士II_

Binary Star and Wizard ページ37

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＿＿ 観客席 . 2winks









「…そろそろ始まるみたいだね、アニキ。」


「うん、朔間さんが言ってた通り…始まる合図の鐘が鳴り始めた。」









ステージの上には銀の鐘が取り付けられており、それが不意に揺れ、荘厳な音を鳴らし始めた。

その鐘を合図に、席を歩き回っていた彼の信者達が足早に、次々と席に腰掛け始める。









「…ゆうたくん、俺たちは『 神さま 』に愛されることができるかな。」


「…何言ってんの、アニキ。
俺たちが大道芸で稼いでた時…アイドルの道に進みたいなんて考えもしなかった時…
俺たちに行先を示して、導いてくれたのは『 神さま 』なのに。」

「『 神さま 』はいつだって俺たちの味方だって、そう言ってくれた。そうでしょ?アニキ」


「…うん。そうだよね、ゆうたくん。」









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＿＿ 観客席 . Switch









「…始まるネ」


「懐かしいですね〜Aくんのライブだなんて」


「…ちょっと、センパイ。
気安く兄さんの名前をあんたが呼ばないでくれル?」


「キラキラ輝き始めてるのな〜♪」


「さすがだネ、ソラ。
ほら…御覧。徐々に観客達の色が変わり始めてル。
そして他のユニット達も…ネ」









宙の目には見えていた。

鐘がなったことで一気に色が変わった観客達。
いろんな色に変わる他のユニットメンバー。

そして、自身が '' ししょ〜 '' と慕う夏目の、何処か哀しそうな色が。









「ずっと…ずっと、待ってたヨ。
僕の大好きな兄さん…僕の、大好きな人」

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