サイドストーリー 3ー6 ページ14
「うっちゅ〜☆A!元気だったか!?昨日ぶりだな!わははは!なんでぶつかってんだ?待って!言わないで!妄想するから!!!」
ぼぼ毎日、レッスンで顔を合わせているのに、まるで久々に会ったかのようなノリの月永先輩。相変わらずだなあ…と眺めていると、先輩のグリーンの瞳が真剣な光をもって私を捉えた。
「ん…?どした?なんかあったか?」
元気ないぞ?と、顔を覗き込んでくる先輩。優しい言葉に思わず涙腺が緩みそうになるのをなんとかこらえ、私は精一杯笑顔を作った。
「大丈夫です。ちょっと慌ててただけで、心配するようなことは何もな…っ、いひゃいっ!」
月永先輩が突然私の左の頰をぐにゃっとつまむので、変な奇声を発してしまった。びっくりして視線を戻すと、先輩は少し不機嫌な表情だ。
「笑うなよ」
「へ…?」
「嫌なことあったんだろ?なら無理に笑うなよ。おれ、そういう笑顔嫌い。」
「…!」
いつもプラスの言葉をくれる月永先輩。そんな彼から嫌いというストレートなマイナスワードが出てきて、どう反応していいか分からず固まってしまった。そんな私に先輩は頰をつねる手を外して言葉を続ける。
「なんか困ってんだろ?だったら素直に誰かを頼れよ。隠したり、誤魔化したりしたって、なんにもならないぞ。解決してやるとはいわないけど、なんかできるかもしれないじゃん。」
そのままガシガシと、いつものように乱雑に頭を撫でられる。
「溜め込むの、お前の悪い癖だってナルが喚いてたしな!ほら言えよー!」
撫でていた手で、突然髪の毛をわしゃわしゃと荒らし始める先輩。頭ががっくんがっくん揺れる。みるみるうちに、私の髪の毛が大変なことになっていった。
「先輩っ…ちょっ…やめてくださ…うあっ…」
「言わないとやめないぞー?どんどん変な髪になってくぞー?わはは!これはこれで霊感湧きそうでいいけどな!!」
「よくないですっ!…っもう!!分かりました!!言います!言いますからっ!!」
「よーし、それならいいぞ!」
にーっといたずらな微笑みを浮かべながら、やっと手を離してくれた月永先輩。だが、時すでに遅し…。髪はぐちゃぐちゃだ。思わずため息を一つついた。
「で?一体どうしたってんだ?」
「…実は……」
口を開きかけた時だった。
「ん?魔法使いじゃん!」
先輩の視線が、私の後ろに向く。振り返ると、追いかけてきてくれたのか、夏目くんが硬い表情で佇んでいた。
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minrisyan(プロフ) - 星乃刹那さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!ゆっくり更新ですが、皆さんに夏目くんの魅力が少しでも伝わるように頑張ります!! (2020年3月5日 23時) (レス) id: 8bdb17c1dd (このIDを非表示/違反報告)
星乃刹那(プロフ) - うわぁ、すごい好きです!続き楽しみにしてます! (2020年2月20日 14時) (レス) id: 7c149933cf (このIDを非表示/違反報告)
minrisyan(プロフ) - 一期Loveさん» コメントありがとうございます!私の理想の夏目くんをひたすら書かせて頂いているのですが、気に入って頂けたのなら嬉しいです!今後もまだまだ更新をしていきますので、どうぞよろしくお願いします! (2019年9月5日 20時) (レス) id: 84aad287f8 (このIDを非表示/違反報告)
一期Love(プロフ) - 凄く面白いです!本編の方もすぐに読み切っちゃいました。読み返しては夏目くんいいなーと思わせて頂いています!更新頑張って下さい!楽しみにしてます! (2019年9月5日 3時) (レス) id: 2345a9075e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:minrisyan | 作成日時:2019年9月1日 20時