サイドストーリー 3ー5 ページ13
「夏目くん、最近電話する時に、私に聞かせないようにしてるでしょう…？あれも…避けられているみたいで、気になるよ…。なんの電話？私が聞いたら…何か…困る話なの…？」
まさか、その話題が出るとは思わなかったのだろう。夏目くんは珍しく言葉に詰まった。
「…っ……ごめン。……まだ…言えなイ。でモ、君を悲しませる話なんてしていないヨ…」
「じゃあ…誰からの電話…？」
「それも……ごめン」
「……っ、どうして………っ」
ーーどうして教えてくれないの？
そう口にしようとして、ハッと我にかえる。こんなの悩み相談じゃない。ただの嫉妬と、八つ当たりだ。
夏目くんを信じてないわけじゃない。
彼の行動を責めたかったわけじゃない。
ただ、何があったのかを知りたかっただけ。それに自分が絡んでいて、みんなを困らせているならなおのこと。
けれど、この状況は…どうだろう？
夏目くんは折角相談にのってくれようとしたのに、納得いく答えを教えてもらえないからって駄々をこねて、相手の揚げ足を取って、疑って…
なんて可愛くない…
なんて面倒くさいんだろう、私…
ーーこうやって、誰かを困らせちゃったんだ。
すっと、体から何かが引いていく感じがした。
「ごめんなさい…ちょっと頭冷やす…ね…」
これ以上ここにいたら、また可愛くない言動を繰り返してしまう気がした。一歩、二歩…と後ろに下がると、夏目くんが心配そうに腕を掴んできた。
「待っテ…ちゃんと話ヲさせテ？君を困らせてるんじゃ意味がないんダ…」
「大丈夫…話せないなら仕方ないから…大丈夫。相談にのってくれてありがと…」
「A…！」
「ごめんねっ」
夏目くんが呼び止めるのも聞かず、腕を振り切ってその場を離れた。いや、逃げ出した…の方が正しいかもしれない。
泣きたい気持ちを誤魔化すように、校舎内だということを気にしないふりをして全力で走る。また誰かにあったら、今度は一気に気持ちが吹き出してしまう気がした。階段を降りて、廊下を通り過ぎて、昇降口に差し掛かった。
ーードン！！
「おわっ！？」「っっ！！？」
曲がり角で対抗してきた人と思い切りぶつかってしまった。相手の持っていた書類が辺りに散らばる。
ああ…言ってるそばからやってしまった。
「す…みませ…」
慌てて書類をかき集める。よく見るとそれは大量の五線譜で…
「いってて…ん？おお！誰かと思ったらAじゃん！」
ぶつかった相手は、月永先輩だった。
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minrisyan(プロフ) - 星乃刹那さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！ゆっくり更新ですが、皆さんに夏目くんの魅力が少しでも伝わるように頑張ります！！ (2020年3月5日 23時) (
レス) id: 8bdb17c1dd (このIDを非表示/違反報告)
星乃刹那(プロフ) - うわぁ、すごい好きです！続き楽しみにしてます！ (2020年2月20日 14時) (レス) id: 7c149933cf (このIDを非表示/違反報告)
minrisyan(プロフ) - 一期Loveさん» コメントありがとうございます！私の理想の夏目くんをひたすら書かせて頂いているのですが、気に入って頂けたのなら嬉しいです！今後もまだまだ更新をしていきますので、どうぞよろしくお願いします！ (2019年9月5日 20時) (レス) id: 84aad287f8 (このIDを非表示/違反報告)
一期Love(プロフ) - 凄く面白いです！本編の方もすぐに読み切っちゃいました。読み返しては夏目くんいいなーと思わせて頂いています！更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2019年9月5日 3時) (レス) id: 2345a9075e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：minrisyan | 作成日時：2019年9月1日 20時
