サイドストーリー 2ー6 ページ2
「いつなら会えるノ？」
どこか焦りを含んだ夏目くんの声に、胸がざわついた。
「えっと…そうだね…」
答えにならない反応を示していると、彼はさらに続けた。
「最近、会えないことが多いかラ。仕事と言われればそうなんだろうけド…。でもなんだカ…」
一瞬、言葉に詰まる夏目くん。そのあと、ゆっくりと口を開いた。
「ボクを避けているのかなっテ…」
「…っ！」
ドキッとした。そんなつもりはなかったが、避けてると言われたら、今の状況はその通りだ…。彼を傷つけるつもりはなかったのに、自分のしていることを改めて言葉にされて、一気に血の気が引いた。
「何かAを困らせるようなことしタ？それならちゃんと教えてほしイ。」
「ちが…っ、本当に夏目くんが何かしたとかそういうわけじゃなくて…」
「だったラ、今日一緒に帰ろウ？どんなに遅くなっても待ってるかラ。」
「あ……」
どうしよう…なんて言ったらいい…？頭がうまく回らない。とにかく何か返事をしないとと焦った。
「えっと…宙くん、寂しがってない？私、今日は本当に遅くなりそうだし、せっかくだから宙くんとゆっくりしてあげても…」
「なんでそこでソラが出てくるノ？」
「…っ」
わずかに鋭くなった語気に、私は完全に次の言葉を失ってしまった。いや…あの…と言葉を探すうちに、電話の向こうから聞こえてきたのは盛大なため息だった。
「はぁ……。ごめン。もういいヨ。」
どこか諦めたような夏目くんの声。
「仕事が落ち着いたラ、また連絡してネ。」
じゃあネ。その声を最後に切れてしまった電話。通常の画面に戻ったケータイを、私は呆然と見つめた。
どうしよう…誤解させてしまった…
このままじゃまずい…
とっさに通話ボタンを押して電話を返すも、夏目くんは出てくれなかった。ああ…怒らせてしまった。
通話を切って、ケータイを握りしめた。焦りで手が震える。
どうする？メール？でも、読んでもらえないかもしれない。ここまで怒らせたのなら、ちゃんと言葉で伝えたい。
もう一度後で電話をしよう…
それでもダメなら明日直接会って謝ろう…
ざわつく胸を誤魔化すように深呼吸して、衣装作りを再開する。
それでも、悪い考えが浮かぶごとに手を止めてしまうが。ふるふると頭を振ってなんとか集中しようとするも、なかなか思うように進められなかった。
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minrisyan(プロフ) - 星乃刹那さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！ゆっくり更新ですが、皆さんに夏目くんの魅力が少しでも伝わるように頑張ります！！ (2020年3月5日 23時) (
レス) id: 8bdb17c1dd (このIDを非表示/違反報告)
星乃刹那(プロフ) - うわぁ、すごい好きです！続き楽しみにしてます！ (2020年2月20日 14時) (レス) id: 7c149933cf (このIDを非表示/違反報告)
minrisyan(プロフ) - 一期Loveさん» コメントありがとうございます！私の理想の夏目くんをひたすら書かせて頂いているのですが、気に入って頂けたのなら嬉しいです！今後もまだまだ更新をしていきますので、どうぞよろしくお願いします！ (2019年9月5日 20時) (レス) id: 84aad287f8 (このIDを非表示/違反報告)
一期Love(プロフ) - 凄く面白いです！本編の方もすぐに読み切っちゃいました。読み返しては夏目くんいいなーと思わせて頂いています！更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2019年9月5日 3時) (レス) id: 2345a9075e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：minrisyan | 作成日時：2019年9月1日 20時
