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Aに取材をされたあの日以来
彩登美の事が、頭から離れない。
あの笑顔
あの日見せた、Aの笑顔
面影は、どこか彩登美に似ていた。
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“忘れられん人”
未練タラタラ
好きだった。
だけど傷付けた。
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無意識のうちに、Aに彩登美を重ねていた。
もしかしたら、Aは気付いてたかもしれない。
進の店に、女性を連れてきたのはAで二人目だった。
一人目は、彩登美だった。
進の言葉と、Aの感想には焦った。
“いつも美人さん連れてるよな”
なんて。
あの時、Aの顔を見れんくて
視線をずらした。
それでも、視界の端っこで彼女が参ったように俯いたのは分かった。
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彩登美も、進の料理に対して、Aと同じような感想をいった。
これは、神様からの罰なんだと思った。
疲れているAを元気付けるため。
なんて後付けの理由で、
本当は、あの場所にAを連れていって
Aに彩登美の姿を重ねて、
彩登美の姿を探して、追い求めた。
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「ごめんな」
って俺が言うのは卑怯だと思う。
でも、それくらいしか言えん。
分からん。
Aが思ってるほど、俺は女性の気持ち、分からんから。
だから、何で今、Aが涙を流したのかも、分からない。
理由が分からない。
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「‥‥何で泣くん、」
だから言葉にするし、訊ねる。
『っなんでだろ、わかんない』
俺もわからんよ、って言いたなるけど
ひとつだけわかることがある。
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Aと出会って
俺は自分でも知らない坂本勇人を知ることになる。
女々しくて、ずっとずっと弱虫な自分を。
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作者名：理彩 | 作成日時：2018年8月2日 22時
