好き、嫌い、好き Ⅱ (ページ34)

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『ご馳走さまでした』

カジュアルなイタリアンのお店
慣れたように注文して、運ばれてきた料理

綺麗で、美味しくてあっという間に食べてしまった。

『美味しかった』

「時々来んねん」

「勇人久しぶり！」

ワインを口に運ぶと、奥から出てきたコックさんらしき人が、勇人に声をかけた。

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「進、久しぶりやんな」

“すすむ”さん。

黒髪に長身
微笑んだときにできる目尻のシワが優しそう。

本当に彼は、顔が広い。

「中学の同級生で、ここのコック兼店長」

進「勇人とはガキのときから仲良くさせてもらってます。お味どうでしたか？」

『すごく美味しかったです！特にピザの生地がモチモチでっ、』

進さんはありがとうございますと微笑んだ。

勇人は、何故か困ったように微笑んで視線を落とした。

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進「ほんとお前は、いつも美人さん連れてるよなー」

「はっ、なんだよ笑」

進さんをどついた勇人は、ちらっと私のようすを伺うようにして見た。

ああ、今の

聞かれたくないことだったんだな、って

悟ってしまった。

分かってしまった。

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ここは、彩登美さんと来たお店だったんだね。

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