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駅から歩いて、いつもの道を通って
木製の重たい扉
どうしてか、何でかわからないけど、今日はその扉を開けるのを躊躇った。
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開けて分かった。
いつもの席に座る彼と
端っこで、健ちゃんと話すその後ろ姿
やっぱり、後ろ姿だけでもわかるんだなぁ
キュッ、と胸が締め付けられた。
止まった足は、階段と同化したみたいに一ミリも動かなかった。
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健「Aさんの何が嫌いだったんですか？」
手すりを、ギュッと握りしめた。
何かにすがり付いていないと、壊れてしまう気がした。
健ちゃんのこと、時々分からない。
高校生の頃から、無口なわりに彼は友達が多かった。
人に冷たくするのに、いつもたくさんの人に囲まれていた。
ショウは、私の存在に全く気付かず、その質問に“うーん”って、唸っていた。
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「つまんないんだよね、Aって」
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「外見は申し分無いんだけど、自立し過ぎてるって言うか。強い女の子、って言うの？ひとりで生きていけそうな感じで、守りたいって思えなかったんだよな」
ぎゅっと下唇を噛んだ。
言い返したいのに、言い返せなくて
悔しい
苦しい
情けない
だけど、悲しい
ーーバンッ
大きな音に肩をすくめた。
彼が、カウンターに拳を強く打ちつけた。
一瞬にして、店内は静まった。
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彼が、無言でショウに近づくと、「なんだよっ、」
って言い返した。
明らかに、彼の顔は歪んでいた。
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「つまらないのはあなたですよ。あなたの主観とエゴで、ひとりの女性の人生をめちゃくちゃにしようとしてるんですよ」
『‥‥、』
「はあ？、」
怒りを露にしたショウは、立ち上がった。
彼の肩越しに合った視線
顔色を変えた。
「Aっ、」
どうして。
名前を呼ばれただけで、すごく苦しい。
喉の奥が嗄れて、声も出ないかもしれない。
ああ、何か言わなきゃ。
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『一生バカやってろ』
必死に絞り出した言葉だった。
(声、震えてなかったかな)
(ちゃんと自分を演じられてたのかな)
鉛みたいに重たい足を奮い立たせて、お店を出た。
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理彩(プロフ) - ゆゆ。さん» ありがとうございます。どハマりしちゃってください！笑頑張ります！ (2018年8月2日 20時) (
レス) id: 7805605240 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ。(プロフ) - この作品大好きです！もうどハマりしちゃってます♪更新頑張ってください！ (2018年8月2日 13時) (レス) id: 3e6ff657de (このIDを非表示/違反報告)
千南 - 理彩さん» これからも応援してます! (2018年7月21日 23時) (レス) id: 44f061dcc9 (このIDを非表示/違反報告)
理彩(プロフ) - Satomigさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです。長編になると思います笑 (2018年7月21日 9時) (レス) id: 7805605240 (このIDを非表示/違反報告)
Satomig - こんばんは！ 更新されるのが楽しみで仕方ないです！笑 話が現実味があって読んでいてとっても楽しいです！ 長編希望です！ (2018年7月21日 0時) (レス) id: c98854b979 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：理彩 | 作成日時：2018年7月16日 18時
