10話 ページ10
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「……おはようショッピ君」
「うわ、顔ヤバいで」
レディーに向かって顔ヤバいってお前の方がヤバいからな！と威勢よく突っ込んだのは心の中の出来事で、実際口から漏れたのは本日何度目かわからないため息だった。
「昨日シャオさん達と合コンやったんやないん？また男逃がした？」
「……それならまだ良かった」
今朝、知らないホテルで目を覚まし、隣で私を抱き枕にして寝ている知り合いすぎるトントン先輩の姿を確認し、夢オチではなかったと絶望した。
それから俊敏に腕からすり抜け光の速さで服を着て音速で部屋を後にし、現在このオフィスに立っている訳だ。
「じゃあなに？」
「いや、それがさ…」
「Aちゃん！昨日トンちと何あったん！？というか知り合いやったん！？」
あぁもう！次から次へと！
地団駄を踏みたい気分ですっ飛んできた大先生をくわっと見やる。
「全ッ然知り合いじゃないです！」
「えぇ？うせやん！思いっきり名前呼んでたで？トンち」
「たまたま私の名前と同じだっただけです。全然関係ないです」
大先生の背中を押して自分のデスクへ返し、まだ何か言っている声も聞こえないふりでショッピくんの隣に座りデスクにつっ伏す。
「で？どういうこと？」
「えぇ、お察しの通りですね」
「ふーん。会ってもうたんや」
「不可抗力でした」
数年の時を経て、遂に再会を果たしてしまった。
感動の再会と言えば聞こえがいいものの、蓋を開ければただ欲望の赴くままに致してしまっただけである。(広義)
「ほんで朝帰りしたんや、やることやっとるやん」
「意思も頭も貞操観念もゆるゆるなクズの話はやめるんだ！」
昨夜の諸事を思い出し悲痛な叫びを漏らす。
いくら先輩が相手だったからとはいえ、もう少し拒むべきだった。これじゃあ先輩と別れた数年間、如何に男にだらしなかったか丸わかりじゃないか。
というより、トントン先輩とのことはもう過去になったのに、未だに自分をよく見せることに頭が働く私の浅はかさと言ったらない。
「でもよかったやん、ヨリ戻したんやな」
「まさか。そんなわけない」
「え、なんで？結局両想いやってんやろ？」
「だから……私はもう、」
好きじゃない、って言えたらいいのになぁ。
私が今日まで馬鹿みたいにトントン先輩だけを追い続けていたら違った結果だったかもしれないけれど、私はもう先輩以外の人の体温を知ってしまった。
あの頃の無垢な私しか知らない先輩に、今の汚れた私を見ないで欲しかった。
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夢月(プロフ) - 心臓がギュンってなりました対ありでした、、、 (2022年9月10日 6時) (
レス) @page17 id: 93204524cb (このIDを非表示/違反報告)
ニコチンキッド - とても好きすぎてスマホ叩きわりました (2022年6月28日 23時) (レス) @page17 id: 5ea514a864 (このIDを非表示/違反報告)
))k(( - めちゃくちゃに好きな神作品…っ (2022年3月12日 22時) (レス) @page17 id: 871e1d6cc0 (このIDを非表示/違反報告)
ラビット_(プロフ) - かなり前に完結済みの作品様ですが、コメント失礼致します。わー！めっちゃ好きです！リクエストで申し訳ないんですけど、夢主ちゃんと付き合ってた時の紫の後輩くんのこととか知りたいです…！この作品一気にお気に入りになりました…もう好きです… (2021年7月10日 20時) (レス) id: bc77977d93 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 以前の作品にコメント失礼します。前作から一気に拝見させて頂きました。切ないストーリーだけど、それだけじゃなくクスッと笑える部分も多く、高校卒業後のすれ違いが最高に好きでした…。本当にこれ以上の作品に出会える気がしません；； (2021年5月23日 8時) (レス) id: 6c6ea452a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年2月4日 23時
