14話 ページ14
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それからのことはもうあまり覚えていない。というより、思い出したくない。
荒々しく腰を打ち付けるトントン先輩に制止の言葉をかけたような気もするけど当然の事ながら無視をされた。何度目かに果てたところで、「誰やねん？そいつ」と人を殺 しに行くような目つきで言われ、例によって馬鹿みたいに従順な私は「ショッピ君です！」とこれまたバカ正直に答えたのだった。本当に馬鹿だ。
目を覚ませば外はもう明るかった。今日は休日だからまだ寝ていてもいい時間だけど、一刻も早くここから出なければならない。というよりトントン先輩が起きる前にここを出なければ殺される。
昨夜の恐ろしい目つきを思い出し身震いした。と、同時に結局昨日も2人でベッドに倒れ込んでしまったことに私は本当にどこまで頭が弱いんだ！と自分を叱咤した。
「……A？どこ行くん、」
「あ、オハヨウゴザイマス…」
見ていたかのような最悪のタイミングで目を覚ましたトントン先輩に、降りかけたベッドにまた引き戻される。
先輩のベッド、先輩の布団、後ろから抱きつく先輩。
どこに顔を逸らしてもトントン先輩の香りがするこの空間に頭がどうにかなってしまいそう。
「……A、ええ匂いすんな、」
「もう落ちましたよ、香水なら」
「んー…ちゃうな、だってこれ、同じやもん」
昔と、と首筋に顔をうずめられ、チクリと吸われる。
その昔がどの時かなんて聞かなくても分かってしまい、高鳴った心臓に気づかれないよう枕に顔を押し付けた。
「ショッピ君とはいつ付き合うててん」
「やっぱり蒸し返すんですか、その話」
「聞く権利があるやろ」
確かに連絡先を消したのは私だけど、先に連絡取らなくなったのは先輩なんだぞ！と文句を言いたい気分だったけど、ギュッと力が籠った腕にもうどうでも良くなった。クソほど単純。
「えーと……大学の頃」
「へぇ、行けてんな、大学」
「誰のせいで不登校になりかけたと思ってるんですか！」
それはすまん、と素直に謝られ拍子抜け。
「じゃああれか、Aの初めてはショッピ君なんやな」
「………いちいち言わないでください」
「はぁ……結構辛いねんな、」
「絶対私の方が辛かったです」
スルスルと口から言葉がもれ、同時にまた涙がポロポロと流れた。
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夢月(プロフ) - 心臓がギュンってなりました対ありでした、、、 (2022年9月10日 6時) (
レス) @page17 id: 93204524cb (このIDを非表示/違反報告)
ニコチンキッド - とても好きすぎてスマホ叩きわりました (2022年6月28日 23時) (レス) @page17 id: 5ea514a864 (このIDを非表示/違反報告)
))k(( - めちゃくちゃに好きな神作品…っ (2022年3月12日 22時) (レス) @page17 id: 871e1d6cc0 (このIDを非表示/違反報告)
ラビット_(プロフ) - かなり前に完結済みの作品様ですが、コメント失礼致します。わー！めっちゃ好きです！リクエストで申し訳ないんですけど、夢主ちゃんと付き合ってた時の紫の後輩くんのこととか知りたいです…！この作品一気にお気に入りになりました…もう好きです… (2021年7月10日 20時) (レス) id: bc77977d93 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 以前の作品にコメント失礼します。前作から一気に拝見させて頂きました。切ないストーリーだけど、それだけじゃなくクスッと笑える部分も多く、高校卒業後のすれ違いが最高に好きでした…。本当にこれ以上の作品に出会える気がしません；； (2021年5月23日 8時) (レス) id: 6c6ea452a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年2月4日 23時
