11話 ページ11
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ダラダラと仕事をこなし、時たまショッピ君やシャオさんや大先生とご飯に行ったり。
良くも悪くも何も変わらない日常を過ごす中、時たまあの日の愛しい体温を思い出しては自己嫌悪に苛まれていた。
そんな中、大先生がご飯に行こうと誘ってきたのだ。
「えー…それって合コンですか?」
「いやちゃうよ。普通に飯行くだけやで」
俺の友達らも一緒に、と言われ、まぁご飯だけなら…と有名なご飯屋さんの名前につられてまんまと快諾してしまった。
「せや、最近合コン行かへんけどとうとう彼氏でもできた?」
「あんまり気乗りしないだけです」
「じゃあ俺と付き合う?」
「大先生は女性にだらしないのでちょっと…」
「ひどない!?」
大先生の声にクスリと笑えば、何となく心が絆された気がした。もしかして、この所ぼんやりしていた私を気遣ってご飯に誘ってくれたのかな、なんて少し考えてみたり。
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なんて思っていた時期が私にもありました。
目の前に座る大先生と数名の友人さん達。
そして、何故か私の横に座っているトントン先輩。
「待って、大先生、私、帰る…」
泣き出しそうな子供のように途切れ途切れに訴えれば、小首を傾げて「まぁええやん」と椅子に押し戻される。確信犯!
「ほら、A。ポテト来たで」
「子供扱いしないでください!」
隣から差し出されるそれに喚けば、可笑しそうに肩を震わせるトントン先輩。その姿が数年前と重なって思わず心臓が『うっ』となりため息とともに俯いた。
「てかやっぱりAちゃん知り合いやん、トンちと」
「全然知らないです、あと席変わってください」
「ふふ、それは可愛いAちゃんのお願いでもキツいわ」
隣見てみ?と言われ思わず横に座るトントン先輩を見れば、
「気安くAちゃんとか呼ぶな。可愛いとか言うな。殺 すぞ」
「開幕早々穏やかじゃないなぁトンち」
般若の形相でおいでになっていたので、そっと視線を外して目の前のポテトを口に入れた。急募:助け
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夢月(プロフ) - 心臓がギュンってなりました対ありでした、、、 (2022年9月10日 6時) (レス) @page17 id: 93204524cb (このIDを非表示/違反報告)
ニコチンキッド - とても好きすぎてスマホ叩きわりました (2022年6月28日 23時) (レス) @page17 id: 5ea514a864 (このIDを非表示/違反報告)
))k(( - めちゃくちゃに好きな神作品…っ (2022年3月12日 22時) (レス) @page17 id: 871e1d6cc0 (このIDを非表示/違反報告)
ラビット_(プロフ) - かなり前に完結済みの作品様ですが、コメント失礼致します。わー!めっちゃ好きです!リクエストで申し訳ないんですけど、夢主ちゃんと付き合ってた時の紫の後輩くんのこととか知りたいです…!この作品一気にお気に入りになりました…もう好きです… (2021年7月10日 20時) (レス) id: bc77977d93 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 以前の作品にコメント失礼します。前作から一気に拝見させて頂きました。切ないストーリーだけど、それだけじゃなくクスッと笑える部分も多く、高校卒業後のすれ違いが最高に好きでした…。本当にこれ以上の作品に出会える気がしません;; (2021年5月23日 8時) (レス) id: 6c6ea452a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆらら | 作成日時:2020年2月4日 23時