37話 ページ37
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本日体育大会。晴れ。
照りつける日差しの元ついに始まってしまった体育大会。
件の私達の二人三脚は、案の定私がコケて引きずられるという笑いどころを生み、唯一の男女ペアであったこととショッピ君の顔が良い(と言われているらしい)のも相まって目立ちに目立って終わった(広義)。
「はぁ……私の平穏が…」
私の最後の出場競技である徒競走後、軽い夏バテと目立ち疲れと膝の痛みで潰れている私。他のみんなは競技の応援に夢中で、これ幸いと並べた椅子に寝転んだ。
この後私がすることと言えば、トントン先輩が出場すると言っていた借り物競走を最前列で見ること。それに尽きる。というよりそれを見るために今日ここにいる。
プログラムを開けば、今行われている競技の次に始まるようで、早速アリーナ席を陣取らなければと椅子から身体を起こした。
「あ、A！やっと見つけたわ…」
「っ！トントン先輩！」
声をかけられ振り向けば、先輩が息を切らしてこちらに向かって来るところだった。どうやら私を探していたらしく、こっちこっち、と手招きをされる。
膝の痛みも忘れて音速で先輩の元へ走り、徐に手を引かれたと思えばあっという間にグラウンド観覧席の最前列に押し込まれた。
「え？先輩？これは…？」
元から自分で最前列へ行くつもりだったのでラッキーだけども、先輩はそんなに私に競技を見て欲しかったんだろうか？わざわざ私を探してまで。
「ええから、そこにおって…！動くなよ」
「動きませんけど…」
真意の読めない先輩の行動に首を傾げるも、先輩は競技の列に並びに行ってしまい聞くことは叶わず。
諦めてグラウンドに目を向ければ、一人一人のレーンに借り物が書いた紙を並べている3年生の姿が見える。
それからスタートのピストルが鳴り、順々に走ってくる人達。
そう言えば少し前に、トントン先輩はこの借り物競走の借りる物がおかしい、などと嘆いていたっけ。
一体どんなものを借りるんだろう、と最初に走ってきた人を見ていると、
「アカリ！来い！」
突如周りから嬌声があがったと思えば、『アカリ』と呼ばれた女の先輩が顔を赤らめてグラウンドに飛び出し、そのまま一緒に走っていった。えーと、これは一体。
と、ゴールしたかと思えば放送席からお題が読み上げられる。
「1組目のお題は『彼女と手を繋いでゴール』でした！」
呆気にとられて聞いていると、次々に走ってくる先輩達は一様に『物』ではなく『人物』を借りて走っていく。
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美雨 - この作品お気に入りすぎて5回くらい見ました、、、()本当に素敵な作品できゅんきゅんしまくりです！！！最後の言葉がぐっと来て本当に泣きそうになりました。素敵な作品ありがとうございました。 (2023年1月7日 17時) (
レス) @page50 id: c21832273f (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆ - はぅ、、、、、とんとん、、、、、ちゅき、、、、、 (2020年9月28日 11時) (レス) id: f773b15172 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - 初コメ失礼します…あー！！！！！甘酢っぺぇ！会社の方見てからこっち来たんですけどどっちも甘々なのになんか、両方とも違う甘々でくっときました…天才ですか…好きです。長々と失礼いたしました…これからも応援しています…！ (2020年7月13日 6時) (レス) id: 57a2a5c5a9 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - もうなんか今順番に読んでるんですけど必ずと言っていいほど泣くんですけど、え？tn氏かっこよすぎん？好き。 (2020年5月26日 3時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 初コメ失礼します！もう感動しすぎて泣いちゃいました........ (2020年5月13日 17時) (レス) id: a7dcf8f420 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2019年12月31日 0時
