帰り道 ページ5
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行きは1人、帰りは2人で。
黙って隣を歩くトンちゃんをチラチラと盗み見つつ、彼の歩幅に合わせて少し早足で並んで歩いた。
「…あの、ごめんね。 わざわざ探しに来させて、」
迷惑をかけてしまったので頭を下げる。
ついつい物珍しさでフラフラ回り道してしまったことを反省。
「いやええよ別に。1人で行かせたんも悪いし」
遠かったやろ？とトンちゃん。それにまぁちょっと、と曖昧に返せばククッと肩を震わせる気配がした。
「あ、この階段使ったら割と近道やで」
「へー…知らなかった」
いかにも人通りが少なそうな薄暗い階段を指差すトンちゃん。多分だけど、1人だったら今後絶対に使わないだろう。
「…あれ？ 近道しないの？」
たった今紹介された近道を華麗にスルーして先に進もうとするトンちゃんに、不思議に思ってそう尋ねた。もしかして、俺はこっち行くけどお前はそっちから帰れよ的な意味だったのだろうか。そうだとしたら心の傷が回復するまで5年くらい出勤しませんけど。
「ん？うん…まぁ今日はええねん、」
「……今日は、」
今日は、ってなんだろう。
先輩が待ってるから(私のせいだけど)今日こそ急ぐべきかと思ったけれど、違うらしい。
「…や、すまん俺な、Aちゃんとちゃんと話したかってん」
「、え」
2人で話せるタイミングもそう無いしな、といつものトーンでそういうトンちゃんに、私の脳みそは絶賛大パニック。
いや、分かってる。私たちが改まってちゃんと話すような話題って、
「ほんっっっっっまにごめんな、その…この間の件やけど、」
あぁそうだよね分かっていました。
「いや、あの。…その事だけど、トンちゃんか謝るようなことは何も無いって言うか、」
事実、前述の通り何も起こっていないわけだから。言わないけど。
「いや何も無いわけないやん…気ぃ使ってくれんでもええよ、ほんまに死んで詫びるべきやんな、俺ほんまあん時……」
「ちょちょ、ストップ！ 落ち着いて？」
頭を抱えて悶々と呪詛のように言葉が紡ぎ出されたところで慌てて制止。
どう言えば納得してくれるだろう、と少し考えて、口を開いた。
「ほら！だってトンちゃん、何も覚えてないでしょ？ 私だって酔ってたから曖昧だし。 だから、もういいじゃん、」
少々言葉選びを間違えた気もするけど、トンちゃんにはまだ少しだけこのまま勘違いしててほしいから、仕方がない。
ちらりと顔色を窺うと、案の定難しい顔をしているトンちゃん。
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林檎(プロフ) - え、これも神作品ですね。tnちゃん可愛すぎかよ。 (2020年5月26日 2時) (
レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - おいちこさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます；；最新作以外全て完結済ですので、ぜひ覗いて見てください( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2020年2月5日 17時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
おいちこ - こんなに面白いの読んだことないわ...！めっちゃ最高でした！神作品ありがとうございますぅぅっっ！！トントンさんのこともっと好きになりました。他の作品も読ませていただきますね！ (2020年2月5日 16時) (レス) id: 5e1cddc80f (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - しゅなさん» プロ結果頂き光栄です(涙)こちらも覗いてくださりありがとうございます！連載中の作品もお楽しみいただけたら幸いです( ´ ` *) (2020年1月1日 21時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
しゅな - はいプロ、神。これは…鼻血だらだらですわ。とんち可愛ええ！＋イケメン！…は？…僕もう…昇天したんやけどｗｗｗ (2020年1月1日 19時) (レス) id: e68f489c1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2019年12月20日 22時
