序章 【招かれざる客】 ページ4
【『花坂 夢乃(はなさか ゆめの)』
花坂家の三十五代目。華道家の家系であるが、花坂家は代々『怪奇』を鎮める役割も担っている。理想の都誕生から続く家系であり、人間たちを多種族から守るよう使命を与えられ、理想想像七賢主らから理想の都の核である『夢の珠』の管理を任された。
花坂家は華道家でありながらも結界を編む事に長けており、特徴として“結界が強力かつ難しい術式で作られている”ことが挙げられる。一編、ただの透けた壁だと思ったものは数多く、しかしその結界の壁を破れる者はそう多くなかった。
花坂夢乃は、大雑把な性格であり面倒くさがりである。淡々としており毒を吐くことが多いが、度胸は人一倍ある。また、どんな相手にも物怖じせず態度を変えずに接するので変わり者に好かれやすい。『夢を叶える』能力を持っているが、その期限は“願ってから24時間、1日に1回しか叶うことができない”という欠点がある。
(理想年紀 第一巻 番外
「重要人物紹介」より引用) 】
花坂家の三十五代目、人間の中でも(多分)最強。そんな彼女と戦わずしていられるか?俺は無理だね。だから今日こそと勝負を挑んだ訳だが。
「……まだ、まだ俺は戦える……!
───いっででででで!?」
「もう一度暗唱して欲しいのね、良いわ。
『決闘の決まりとして、『互いに───」
「だぁぁぁ!!わーったよ!!俺の負け!!
要は、『俺は夢乃と決闘をしたが見事に敗北。戦闘不能と判断されたにも関わらず、俺は諦めの悪さで立ち上がろうとした。だから結界が反応してビリビリがやってきた』。そうだろ?」
「分かってるじゃないの。分かっているのなら尚更、大人しく地面に這いつくばって悔し涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら恥じるのよ、恥じろ」
「命令形!?」
ご覧の通りの容赦ない口調なので、彼女には俺以外に友達がいない。人付き合いも悪く、女子力の欠片もない。言い寄られるどころかむしろ距離を置かれているのが夢乃だ。黙っていれば美人なのに。
「あんた今余計なこと考えてたでしょ、この駄剣士」
「『魔剣士』!!わざと言ってるだろ!!」
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作者名:ミンミンゼミ31039 | 作成日時:2018年12月8日 22時